2018.9.23
奥秩父屈指の岩稜帯を有する乾徳山に、チビワンと初秋の登山を満喫してきました。
山頂直下では瑞牆山で経験した岩場よりも難度の高い岩場が待ち構えています。
果たしてどんな山行になるのでしょうか。
目次
山行ルート
乾徳山といえば三富徳和から出発し、高原ヒュッテを中心としたの「8の字ルート」が有名ですが、標高差・総歩行距離もそれなりダラダラと長いので、今回は旧大平牧場跡地からの周回ルートとしました。
山行目的
やはり肝となるのは岩稜帯での岩登り。瑞牆山での経験を経て、チビワンはどこまで攻略できるのでしょうか?
昼食は最近カップヌードルばかり食べているチビワンなので、たまには違ったモノをということで、カルボナーラ作りにチャレンジしてみました。
本日の山行目的
- スリリングな岩場鎖場を体験!
- 岩場はある程度チビワンの好きに登らせる!
- 山頂カルボナーラ!
大平牧場跡地より登山開始
奥秩父好きの私にとって、勝沼ICからみとみに向かう道はワクワクさせてくれるものがあります。
いつもの馴染みのフルーツラインを抜けて、約40分。大平牧場跡地に到着しました。
駐車場に着くなり迎えてくれたのは一面のソーラーパネル!山肌ケズってくれましたね地主さん。
ソーラーパネルは耐用年数経過後は処分に困ったりするので長期的にみると・・・などと言ってもそれなりに事情があったのでしょう。
今はこれ以上広がらないことを祈るばかりです。
気を取り直して、いざ出発です!
今日もチビワンはいつもの標準装備でアタックします。
10分ほど車道を進むと、いよいよ本格的な登山道に入りますが、スタートは石畳のような回廊が広がっています。
人の手が入っているのでかなりの労力だったであろうことが窺えますが、私はほぼ自然のままでよかったような気がしてなりません・・・。
これぞ奥秩父
登山道に入ると、これぞ奥秩父という苔の世界。枯葉が重なり秋の到来を感じさてくれました。しばし苔ワールドをご堪能ください。
この日のこのルートは他の登山者に会うこともあまりなく、チビワンと2人だけの静かなハイキングを楽しむ・・・はずだったのですが、そうはさせてくれず長い長~い”しりとり”がまたしても続くのでした。
時折、視界が開ける場所がいくつかあります。
しばらくは樹林帯で日射しが強い時は助かるのですが、眺望が無いというのも飽き飽きしてしまうのである種の気分転換になります。
そしてこんなところで休憩も。
突然開けた視界、そして岩の上というロケーションがチビワンのテンションを上げてくれたようです。
チビワンが指さすのは私の大好きな雁坂峠の方向。今日は稜線が雲の中に隠れてしまいましたが、いつかチビワンと歩いてみたいものです。
月見岩到着
月見岩に到着すると視界が開けると同時に徳和からの登山者とも合流するので登山道は今までと変わって一気に賑やかになります。
チビワンにとっては”お声がけ”を頂く機会が多くなるので、少し疲れてきたときにはこういった状況のほうが好ましいようです。
で、月見岩はあっさりとスルー(笑)
月見岩は裏からであれば登ることができるのですが、特に興味無し!といって感じで素通りしてしまいました。
こういう時は疲れが出ている証拠なので、簡易トイレ休憩と称して小休止を取ることにしました。
岩場の多い乾徳山は、月見岩をはじめ特徴のある岩には「〇〇岩/石」といった感じで名前が付いています。
ここは大きな岩の窪みに水が溜り、あたかもお手洗いのような石なので名前もそのまんま”手洗石”。
さて、小休止を終えた私たちはいよいよ本日の正念場、岩稜帯へと足を踏み入れるのでした。
月見岩からは基本的に登山路です。
山頂からは引き返さず水のタル経由で下山するのが下山ルートとなります。
ただし、下山迂回路もそれなりの難易度なので、状況に応じて使い分けて下さい。
岩稜帯へ
鎖や梯子などかなり多くの箇所で登場してきます。
先月の瑞牆山の経験もあったので、今のところは難なくクリアしていきます。
核心部となるのは雷岩と山頂直前の鳳岩。まずは雷岩に挑戦です。
雷岩は2ピッチ分の鎖場があり、うまくホールドを見つけられれば特に鎖を使わなくても登ることができます。
さてチビワンのチャレンジ。ここはトップで行ってもらいました。
ここはチビワンの意志に任せてある程度自由に登らせました。
本人もあーだこーだ言われるよりは自分の思い描いたとおりに登ったほうが楽しいし(怪我しない程度に)失敗したほうが勉強になるでしょう、ということで。
後半のピッチも危なげなく登り、まずは最初の難関クリアです。
うーん、広角レンズに切り替える余裕がなかったのが残念でなりませんね・・・
大渋滞の鳳岩!迂回路、そして山頂へ
鳳岩では登攀待ちものすごい渋滞となっておりました。
かなり前に追い抜かされたハイカーさんも待っており、相当な待ち時間が予想されました。
私もチビワンもある意味とても楽しみにしていたのですが、”待つ”という行為そのものが精神的な疲れにつながるので、ここは潔く迂回路を使いました。
そして・・・
登頂開始から2時間45分、山梨百名山 乾徳山(2031m)、山頂到着です。がんばりました!
少々疲れて表情をしていますが、本当によく歩いたと思います。
あとは下るだけ!と思っていた我々ですが、この後待ち構えている困難にこの時はまだ予想すらできませんでした。
山頂も岩場でスペースが狭く、混雑のため人がごった返していましたが、山頂脇の平坦地で昼食を取ることにしました。
オトナ味よりヌードルがお好き
さてランチ。今日はカップヌードルをいつものBIGサイズからノーマルサイズに変えて、もう一品としてカルボナーラに挑戦です。
家でパスタを茹でる際はたっぷりのお湯で茹でますが、当然山では水は貴重な資源。
いかに「早く」「水を無駄にせずに」「アルデンテに」作れるかが鍵となります。そこで、事前に自宅でも試行錯誤をしてきました(1回だけだけど。)
ポイントとなるのは3つ。
- 水の量は茹でるパスタの量(g)×1.4~1.5
- 沸騰したら一旦中火以下に抑える
- ガスの調整は箸(またはフォーク)を持ったまま行わない
ポイント1は高度によって沸点が異なるので、ある程度の経験が必要かと。
ポイント2はずっと沸騰したままで茹で続けるとパスタがコッヘルの底に張り付いてしまい、コゲの原因になってしまうためです。
ポイント3は何気に私の場合は重要なのですが、箸を持ったままガス調整ねじを扱うと、大抵箸の先端がが地面に付いてしまい、気付かずそのままパスタをかき混ぜてしまったりしてしまいます。これかなり悲劇なので、十分注意してください。。。
いつかこれだけのネタを記事にしてみようかと思います。
今回パスタは標準湯で時間3分の早ゆでパスタを使っています。
独自の製法で、通常のパスタともそれほど味の違いはないと思っています。
ママーから販売されているミニタイプの早ゆでパスタは500mlのナルゲンボトルでも
ちょうど納まり、持ち運びも便利です。
そして完成したのがコレ!
さて、お味ですが・・・
この日は奮発して「青の洞窟」シリーズのカルボナーラを使ったということもあり、私としては大変美味しく思ったのですが・・・
チビワン的にはオトナ味すぎてイマイチな反応でした・・・(涙)
いつものキューピーでよかったのかー。。。
困難の下山迂回路、水のタルへ
さて、お腹も満たされた我々は渋滞しているであろう登山道を回避するため、水のタル経由で高原ヒュッテに向かうことにしました。
しかしこのルート、現在では破線ルートに指定されており、滑りやすく段差も大きく、体の小さいチビワンには非常に困難なルートでした。
完全にリサーチ不足で今回の一番の反省点です。
結局、手を繋いだりある時は抱えて下したり、まともに写真を撮影する余裕すらありませんでした。
ようやく最難関エリアを抜けた頃には、チビワンの疲れもピークに達していたようです。
それでもケルンへの石積みだけは忘れません(笑)。いやそれちょっと大きすぎ・・・
さすがにチビワンの歩みも止まってしまうかと思ったその時、癒しのオアシスとなる高原ヒュッテが視界に飛び込んできたのでした。
癒しのオアシス、高原ヒュッテ
高原ヒュッテは現在は無人で避難小屋扱いとなっていますが、内部は非常に綺麗で男女別にバイオトイレがあります。
長く続いたバリエーションルートを踏破したチビワンにとって、高原ヒュッテはオアシスのような存在でした。
ここで大好きな梅製品(干し梅、梅シート)を口にして、ようやくチビワンに笑顔が戻り、そして私も今回の山旅のゴールへの目途が立ちホッとした瞬間でした。
さて、ここからはゆるゆるな登山道。
若干の登り返しもありますが、晴れやかな気持ちで高原ヒュッテを後にしました。
楽しそうにチビワンが歩いているのを見ると、本当にここまで頑張ってよかったなぁ、頑張ってくれてありがとう、そんな気持ちにさせてくれます。
本日一番の笑顔ですね。
月見岩に向かう分岐まで戻り、ゴールは目前です。
気持ちにさらに余裕ができ、天才てれびくんで流れているテーマを私にレクチャーしてくれるようになりました。
(全然わからないんですけどね・・・)
登山口まで戻ってきました。
入山時の石畳の回廊がビクトリーロードさながらに私たちを迎えてくれました。
そして16:37、無事下山です!本当によく頑張りました。
この後、チビワンの大好きな「ほったらかし温泉」に向かう予定でしたが、三連休とあって人気のこの温泉は大混雑。
広大な駐車場を有しているにも関わらず、駐車場手前1kmほどから入場待ち。
これではいつになったら入れるかわかったモンじゃない!ということで今回は諦めて紅富士の湯へ・・・
まとめ
振り返ってみると、標高差700m、総歩行時間が6時間を越えるという、チビワンにとって大冒険の山たびとなりました。
また、岩場はもちろんですが、下山迂回路ではかなりの誤算。リサーチ不足が大きな反省点でした。
とはいえこのルートをチビワンと歩けて本当に良かったと思います。
困難な山旅ではありましたが、楽しい思い出となりました。
山行データ
- 出発時刻 / 高度: 09:36 / 1313m
- 到着時刻 / 高度: 16:37 / 1311m
- 合計時間: 7時間1分
- 合計距離: 12.76km
- 最高点の標高: 2013m
- 最低点の標高: 1309m
- 累積標高(上り): 899m
- 累積標高(下り): 903m
Reliveで山行振り返り
https://youtu.be/tves5qN_u_Q