2020.10.28
前回の山行で手痛い自損事故を被り、すっかりお出かけ意欲を失っていましたが、ようやく車も戻り、少々遅ればせながらも秋の登山モードに突入です。
夕方からの所用のため昼過ぎには下山したいと思いつつも、早朝からなるべくガッツリと歩きたく、アクセスの良い箱根で未踏部分も多かった箱根外輪山北東部をチョイスしましたが、久々の登山の身にはなかなかの修行ルートとなったのでした・・・。
山行ルート
強羅からスタートし、まずは今回のルート最高点である明神ヶ岳を目指します。その後は外輪山の稜線を下り、明星ヶ岳、塔ノ峰を経由して箱根湯本方面(塔ノ沢駅)を目指します。下山後は今年7月に復旧した箱根登山鉄道に乗って強羅まで戻ります。
山行目的
ガッツリ歩きたい!と思うものの、ガッツリ歩きは久々すぎるので体への負荷に耐えられるか不安。なので、負荷が大きそうなら明神ヶ岳ピストン、または明星ヶ岳で下山というエスケープを用意しつつ、可能であれば外輪山未踏ルート(明星ヶ岳以東)を歩いてみましょう。
本日の山行目的
- (ほどほどに)ガッツリ歩く!
- 明星ヶ岳以東の外輪山未踏ルートを歩く!
- 箱根エリアの紅葉状況視察!
強羅より登山開始
パーキングのある強羅からは一旦宮城野エリアまで15分ほどかけて下る必要があります。ピストンまたは明星ヶ岳で下山するとなれば、宮城野エリアのパーキングに停めるのが一番なのですが、下山後は箱根登山鉄道に乗って戻ってくることを前提とすると、駅に近い強羅が良さそうです。果たして塔ノ峰までナマった体がもってくれるでしょうか・・・・?
外輪山稜線から朝陽が昇ります。
宮城野まで一旦下ります。正面少し左寄りには本日のピークとなる明神ヶ岳。
宮城野市街地を抜けて登山口に取り付きます。
しばらくは別荘地の横をすり抜けるように歩きます。
振り向きざまに。今日の天気は曇りの予報でしたので、青空が見れただけでもみっけもん。
苔に癒され。
木と土の匂いに癒されながら標高を稼ぎます。
外輪山主稜線、そして雲海
外輪山主稜線上の鞍部に出ました。ここが宮城野方面(歩いてきた方向)、明神ヶ岳、明星ヶ岳への分岐となります。まずは明神ヶ岳を目指します。
背丈が高く圧迫感がありますが、箱根らしい笹の道。
開花直前のリンドウ。可憐に開花した状態を今日は見れるでしょうかね。
視界が開けて大涌谷、神山、箱根駒ケ岳方面が見れました。山頂は雲に覆われているようですね。
筋雲が秋の深まりを想起させてくれます。
・・・ん?仙石原方面をよく見ると・・・
なんと雲海が!これはラッキーでした。芦ノ湖の影響なのか湿度が高く、朝方は雲海が出やすいのかもしれませんね。
色付き始めた山肌に囲まれてフワフワです。
ホントこの稜線は気持ちよく歩けます。
山肌の紅葉とマッチしてますね。
勾配がかなり緩くなったところでは二宮金次郎芝刈り路というルートへの分岐。こちらも結構な長いルートです。
その先にあるトンネルのような道はお気に入り。夏は直射日光を遮る涼の道、秋は色付きを楽しませてくれる彩の道となります。
このトンネルの途中には昭和天皇こと摂政宮様の大きな登山記念碑があります。登山でこんな記念碑が建てられるというのもすごい話ですよね。
ちなみに当時の誘致活動では、神奈川県では箱根と丹沢が候補に挙がったそうですが、「箱根にはヤマビルがいない」というのが後押しになったのだとか。
五分ほどで、大雄山最乗寺への分岐を通過します。今年の1月に歩いたルートになりますね。こちらも歩きごたえは十分です。
さて山頂を目前にしてようやく金時山を目にすることができました。そして目を凝らすと・・・富士山山頂がわずかに見れました。前回は完全に雲の中でしたので、これは嬉しいですね。
山頂直前のビクトリーロード。この辺りは笹の背丈も低く眺望があってより気持ちがいいですね。
なのでこの辺りから小田原市街や相模湾も良く見えるようになります。箱根より東側は予報通り曇り。山の方が天気が良いというのもありがたいことです。
明神ヶ岳山頂
明神ヶ岳(1169m)、山頂到着です。強羅からちょうど2時間ほどでしたね。
頭上と富士山前には雲がかかりつつも、火打石岳、金時山、長尾山をつなぐ稜線、そしてその向こうに富士山。やはり風景に富士山が入ると締まりますね。
風はわずかにありましたが、陽も登って暖かくなってきました。
ランチ・・・というよりはまだ8時過ぎなので朝食です。
至福の一杯!
縦走路を東へ
貸し切り状態、快適で過ごしやすかったので名残惜しいですが、先はまだまだ長いので出発です。それでも30分ほどゆっくりできました。
山頂から少し場所ですが、もう少し富士山がハッキリ見えていればかなりフォトジェニックなスポットになったことでしょうね。
ほぼ太陽に向かって歩きます。まぶしいですが箱根らしいススキが映えて労わってくれます。
先ほどのトンネル。逆方向からですが、やはり撮ってしまいますね。
雲海はすっかり晴れたようです。
これから向かう明星ヶ岳への縦走路。たっぷりと歩けそうです。
鞍部に戻ってきました。さらに東に進みます。
ルートは明瞭で踏み跡もしっかりしていますが、気のせいかひとけの少なさを感じる登山道です。
上から見ると気持ちよさそうですが、実際その場所に来るとこのとおり笹の背丈が高く展望がないのです。
だいぶ雲がかかってしまいましたが、富士山、金時山、明神ヶ岳がセットで見れる最後のスポットです。
展望のない明星ヶ岳山頂から塔ノ峰へ
明星ヶ岳前の分岐。右に向かうと宮城野に至り、道中では大文字焼が行われるエリアを通りますが、今回はこのまままっすぐ、防火帯のような広い道を抜けていきます。
明星ヶ岳山頂。眺望はありません。隣には御嶽大神が祀られています。そして山頂標識が新しくなっていますね。
小田原方面から見ると、宵の明星がこの山のあたりに見えることから明星ヶ岳と呼ばれるようになったそうです。
少し先には箱根三笠山刀利天宮の石仏があります。この先にも箱根御嶽山八海大頭羅神主の石仏など、古来の信仰を感じさせてくれる登山道です。
どちらかというと、金時山方面は坂田金時公など”人”がスポットされてるのに対して、こちらは八百万の神々がメインという感じですね。
ここから先は私も未踏ルートになるのですが、展望もほとんどなく、そこそこ修行ルートな感じでした。
登り返しもちょくちょくあり、箱根らしいと言えば箱根らしいのですが、杉並木の根が作る歩きにくい登山道は足に響きます・・・。
下りだと気持ちがいいんですけどね。
暫く歩くと車道に出ます。ここから10分ほどは車道歩きです。意外と林業関係の業者の車以外にも通行量が多いので気を付けてください。
車道から再び登山道に戻ります。戻って早速の登り返し・・・
が、しばらくは木々の密度も薄く、今までのような窮屈さはありませんでした。
東部が開け、小田原の街並みが臨めました。
木々の隙間から。明神ヶ岳があんなに遠くに感じます。
そして、明星ヶ岳から約1時間半。塔ノ峰に到着です。こちらも展望はありません。
古代インドの阿育(あしょか)大王が、仏舎利を安置するために作ったとされる宝塔の一つがこの山で見つかったことから塔ノ峰と名付けられたそうです。
これから向かうこの山の麓にある阿弥陀寺も、山号を「阿育王山」と称するように、この子時に由来しているそうです。道中で多く見かけた石像もこのことが大きく影響しているのでしょうね。
分かりやすい場所に三角点がありました。三等です。
ここからは下山。阿弥陀寺に向かって下ります。迷うほどではありませんが、このように木々覆われているような場所も多く、ここまでの稜線では無かった雰囲気です。
展望のない道を約1時間。ようやく阿弥陀寺も間近になり、「おつかれさ~ん」と言わんばかりに七福神(大黒様?)が出迎えてくれました。
向いてる方角からすると、これから入山する登山者に「気ぃ付けてな~」と言ってる感じでしょうかね。
金時山までの道中に設置してある管理ナンバー。起点(No.0)はここ阿弥陀寺だったのですね。50mごとに計278個も。本当にご苦労さまです。
阿弥陀寺。読経の声が聞こえてきました。
手水舎で手と顔を洗いました。気持ちよかったー
沢山のお地蔵様、石仏に見守られながら歩きます。
立派な山門。塔ノ峰の山頂標にあったとおり、山号である「阿育山王」の文字が。
ようやく塔ノ沢駅に着きました。いやぁ疲れました。
レトロな乗車券。ここからは箱根登山鉄道で。登山ウェアのまま座るのは抵抗があって立っていましたが、スイッチバックを繰り返しながらゆっくり進むので強羅までは40分ほど。これはこれで疲れました。
山行中に出会った花々
ホトトギス
トリカブト
ヤマラッキョウ
ウメバチソウ
リンドウ
フジアザミ。通常のアザミと異なり、子供のコブシ大くらいあるので群生しているとなかなかのインパクトです。
マツムシソウ
目を頭上に向けると、葉が落ちて華やかなひと際目立つマユミの実でした。
振り返って
フタを開けてみれば、ほぼほぼ時間通り下山出来たとは言え、アップダウンを交えた累積標高(下り)1400m・・・ナメてました。累積下り1400mと言えば、百名山巻機山をピストンした時と同じくらいのもの。そりゃ久々の体には堪えますね。
後半はちょっとした修行でしたが、それでも雲海や金時山越しの富士山、色付き始めた山肌を拝むことができて、お腹いっぱいの山歩きとなりました。
山行データ
- 出発時刻 / 高度: 06:06 / 557m
- 到着時刻 / 高度: 12:19 / 192m
- 合計時間: 6時間12分
- 合計距離: 15.44km
- 最高点の標高: 1147m
- 最低点の標高: 142m
- 累積標高(上り): 1038m
- 累積標高(下り): 1399m
Reliveで山行振り返り
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