2019.8.21
昨年の夏休みに予定していたチビワンとのテント泊山行は残念ながら台風により中止。日帰り瑞牆山登山となりました。あれから1年、今年こそはリベンジと思いながらもまたしても悪天候により中止。
そして今回は昨年よりも天候が悪く、天気がもちそうなのは午前中のみで、日帰りでさえもどこに登ろうかと悩むほど。前日はプールで一日遊んでおり、恐らくその疲れが翌日に響いているだろうと予測されていたため、サクっと登って下山できるお山を探し、結果その名がチビワンの頭に残りそうな最長山名のお山、牛奥ノ雁ヶ腹摺山(うしおくのがんがはらすりやま)に登ってきました。
目次
山行ルート
山梨県道218号大菩薩初鹿野線から林道に入り、その林道中間の駐車スペースからのスタートです。ペンションすずらんから登ることもできますが、今回は天候との追いかけっこということもあり、少しでも標高を稼いで最短ルートで登ることにします。
登山道を直登し牛奥ノ雁ヶ腹摺山に登頂した後、標高差が少ない笹原を抜け、小金沢山に登頂し、そのまま往路を戻るピストンルートです。
山行目的
今回は天気との勝負もあり、山行前後の疲れも考慮してミニマムな登山を目標としました。
本日の山行目的
- 日本最長山名のお山を楽しむ!
- (あわよくば)秀麗富嶽十二景としての富士山を拝みたい!
- 笛吹川フルーツ公園を満喫する!
林道中間地点からのスタート
ペンションすずらん先の林道分岐からやく15分、駐車スペースに到着しました。うまく寄せれば車4台くらいはなんとか詰め込めるかもしれません。またこの場所はペンションすずらんからの登山道の通過地点でもあります。
この場所からでもなかなかの景色を拝むことができます。雲から少し顔を出しているのは先月登った金峰山でしょうかね。
ここが登山道入り口になります。林道を車で来るときも、駐車スペースはこの道標が目印になります。
植生保護のための柵が施されています。ロープを緩めてゲートを開け、通過後は元に戻します。
さて出発ですが・・・ピースの割りに表情がカタいですね・・・。
この柵の中の箱庭のような場所は、以前は一度焼き払ったようなのですが、数年で植生は回復してるようです。この辺りからすでに羽虫多数・・・。
樹林帯に入るまでの10分程度ですが、朝陽に向かって登るような眩さを感じます。
もう一箇所ゲートがあります。面白そうだったからさっきも自分でやりたかったそうで・・・。
ゲートオープン。今までになかったタイプのゲートだったのが「面白い」の理由だそうです。
ゲートを越えると登山道らしい登山道に入ります。勾配はそこそこありますが、当分は樹林帯なので日射しもキツくなく気持ちよく登れます・・・が・・・
どうしても「男梅タブレット」が食べたかったそうで・・・。今日は塩分&クエン酸チャージタブレットではなくコレなのでした。
北側の開けた尾根道からは大菩薩嶺が見えました。まだ雲は掛かっていないようですね。
さてしばらくは眺望の無い樹林帯です。頑張って登っていきましょう。
ストイックに、そしてウザい羽虫に悩まされながらも・・・登ります。
高度を上げると少しずつ岩場も出てきました。登山道も後半に入りかけたところです。
奥秩父の生命の息吹
The Art of Moss
私の大好きな奥秩父山域。奥深い緑の中に息づく生命の力強さを感じられるのがこの山域の特徴です。しばし苔の芸術をご堪能ください。
生命の継ぎ木
苔も魅力的ですが、倒木後に残った株というのも私は心揺さぶられるものがあります。折れた断面で水が溜り、新たな生命の温床となる。そんな悠久の「命をつなぐ流れ」の一瞬を切り取ったような世界。親から子へ継がれていく”魂”のようなものを感じることができるので、ついつい親子登山では意識してしまいます。
倒木エリアを抜けて
さて、登山道も中盤を越えると倒木が多いエリアになります。
「おわー!パパ見て!ぽっきりいってる!」「どのくらい前に倒れたのかな?強い風が吹けば倒れるのかな?」
その考証は私にも出来かねますが、目の前にある事実からこういった好奇心を持ってくれるのは嬉しいことだと思います。
「なるほどねぇ~」といってちゃっかり座って休憩を始めるチビワン。まぁ、いいけどね。
倒れても地面との間は1m以上あいているものあり、チビワンならこうして潜ることもできます。私は腰の負担を考慮して巻きましたが・・・。
しばらくすると樹林帯にも隙間が出てくるところが多くなってきました。いよいよ登山道も大詰めです。
岩稜帯、枯れ木ゾーンを抜けて山頂へ
登山道を7割ほど進んだところにあるパノラマ岩。本来はここから正面(西)に向くと南アルプス、南には富士山も見ることもでき、最高の眺望があったはずなのですが、今回は真っ白でした・・・。この後天気はさらに下り坂になるので、残念ですが今回は諦めましょう。
富士山の方向。同定はできませんが、辛うじて見える稜線は御坂山塊でしょうか?
パノラマ岩自体が巨大な岩なのですが、そこを過ぎるとゴツゴツした岩場が出てきます。慎重にね。
「でかっ!!」
岩場の足元の巨大なキノコに大興奮です。
「これ食べれる!?」
やっぱりそういう所が気になりますよね。
最後の岩場を抜けると・・・
枯れ木の笹原という、不思議なエリアが待ち受けていました。
なんとも不思議な、そして枯れ木群になんとなく寂しさと不気味さを感じさせられる世界でした。
周辺は雲ですが、頭上はしっかりと太陽が出ており、肌にジリジリと来ます。
この不毛な枯れ木群と言い、照り付ける日差しと言い、ちょっとした山中の砂漠を歩いているような気持になります。
倒木も越えて・・・後もう少し!
辛うじて青空は残っていますが、本当にこの場所のみという感じです。
さぁ、最後の登りだ!
なんてやりとりを山頂直前でしながら。まぁ、まだ元気はあるのかな?(笑)
「あ!あのカンバン!」
遠目から山頂標を見つけるや否や・・・
「ゴゥッ!!」
追い抜いちゃダメなら走らなくてもいいんじゃないの・・・?
午前9:53、秀麗富嶽十二景 二番山頂、牛奥ノ雁ヶ腹摺山(1990m)山頂到着です。お疲れさまでした!
大月市秀麗富嶽十二景は昨年末の雁ヶ腹摺山に続き、二座目になります。残念ながら秀麗富士を拝むことは叶いませんでしたが・・・。
小金沢山は見送り、慌ただしい下山
山頂から北側(石丸峠・大菩薩峠方面)に向かうともう一つの目的地小金沢山になりますが、予報より天気の崩れは早く、この時期は落雷も怖いので今回は小金沢山は諦めることにしました。
まだ10時前と早い時間帯ですが、ここでランチとします。ここでも羽虫は多く生息しており、接近にちょいビビり気味のチビワンでした。
さてそうこうしているうちに、見る見ると不気味な雲が迫ってきました。さすがにこれは嫌な雲ですね。下山を急ぎましょう。
平日のこんな予報の日に登山者はおらず、三脚も車内に置いてきたのでツーショット写真は諦めていたのですが、「パパ撮る!」といってチビワンが撮影してくれました。上手に撮れたね、ありがとう!
たった20分ほど前より一気に視界が狭くなってきました。雨はともかく、雷だけはカンベンです・・・。
晴れていればこの方向に富士山が富士山が見えたんですけどね。今は数十メートルの視界のみ。
仕方ないですがこんな時期です。また秋にでもリベンジしたいですね。
さぁ、下山しましょう。
下山路
この笹原も、天気が良ければ青空の下、奥秩父主稜線や南アルプスを眺めながら気持ちよく歩けるのですが、残念ながらこの通り。
先ほどの岩稜帯。雨後ということもあって意外と滑りやすくなっています。下山時は特に注意です。
ここからはしばらく独唱タイム(笑)
遠目から眺めることにします。
歌うはやっぱりDA PUMPなのです。
歌いながら追い越し、追い越しては歌う(笑)
「あ!これスティラコサウルスの化石みたい!」
なるほどね、その着眼点は面白い。さずが「恐竜博2019」を見に行ったばかりだけのことはあります。
登山道の勾配が緩くなってきました。登山口まであと少しですが、下山はあっという間でしたね。
下山まであと少しということろで、何やら靴の中が気になりだした様子。
どうやら靴の中に枯葉のようなものが入り込んでしまい、チクチクするのだとか。
こういう時は、やはりリールアジャスト式の登山靴は子供だけで着脱ができるので便利です。
カリカリと回して締め付け完了!靴の中もスッキリです!
三カ月ほどこの「マリポサトレール Kid’s」を履いていますが、特に大きなトラブルはなく、今のところメリットのみを享受している状況です。
登山口近くまで降りてきました。
・・・あれ?まだ大菩薩嶺が見えてますね。スタート時と雲の様子もあまり変わっていないような・・・?
夏山は天気の読みが難しいですね。
さてゲート。今度もお願いします。
・・・
・・・・・・あれ?(笑)
はい、グッジョブ!
こんな感じに斜めに開いて・・・
パタンと閉じます。確かにこういう開閉の仕方のゲートは私も初めてでした。
午前11:33、下山いたしました。お疲れさま!雨も降る前に・・・というかそんな気配も無くなってますね(汗)
奥秩父の豊かな植生
大菩薩嶺は花の百名山の一つであり、そのお膝元ということもあって牛奥ノ雁ヶ腹摺山までの登山道にも色々な花が咲いていました。
マルバダケブキ(丸葉岳蕗)
ホタルブクロ(蛍袋)
カノツメソウ(鹿ノ爪草)
オトギリソウ(弟切草)?ちょっと自信ない・・・
ヤクシソウ(薬師草)
ヤマオダマキ(山苧環)
下山後のお楽しみ♪笛吹川フルーツ公園
ショートルートを計画した理由はコレ、下山後のお楽しみにやってきたのは笛吹川フルーツ公園のわんぱくドーム。
チビワンお気に入りのほったらかし温泉に行くには必ずフルーツ公園の敷地内を抜けていくのですが、通るたびに気になっていた「遊具施設のあるドーム」、ここがとても楽しみだったのです。
中はこんな感じでした。
カラス(?)張りのドームなので直射日光の日射しは強いわ空調は効かないわで、まさにビニールハウス状態(笑)
で、待望の遊具ですが・・・うーん、意外小規模で、対象年齢もチビワンからすると少しいのでは?と思ってしまうような遊具。
まぁ多少は楽しんでいましたが、あっという間に飽きてしまいました。まだ昼過ぎですし、ここで終わって温泉入って帰るというのも勿体ない気がしました。
じゃあ仕方ない、ということで・・・
じゃぶじゃぶ池!意外と大規模なじゃぶじゃぶ池であったことに驚きました。
いやいや楽しそうじゃないですか!?平日にも関わらず大賑わいです。
さすがに前日のプールでガッツリ背中を日焼けさせてしまい、ヒリヒリでザック背負うのですら辛かったので、今日は私自身はは遠慮しておきます・・・。
おいおいおい・・・最上部にはこんな滝までありますよ?まさかここまで大規模だったとは・・・
いきなりザッパーン!!
これは気持ちよさそう!
わんぱくドームは残念でしたが、これはじゃぶじゃぶ池に助けられた感じですね。
笛吹川といえば登山の世界では沢登りで有名ですが、こんなことになるならじゃぶじゃぶ池などではなく本物の笛吹川の手頃な場所で水遊びさせてあげればよかったかな?なんて思ったりもしました。
いやいや、下山時より元気になってますよ?
まぁ、楽しそうだからいっか!
公園内の見晴らしの良い場所から。
まさに今日の天気を物語るような一枚。写真中央が牛奥ノ雁ヶ腹摺山あたり。あのまま小金沢山へ行っていたら間違いなく雨の中の下山となっていたかもしれませんね。
振り返って
最近、チビワンはあまり登山に積極的ではなくなってきました。「少し飽きてきた。でもたまにはいいかな」だそうです。先週は河口湖の親戚の家に泊まり、すばるランドなる遊園地を楽しんできたそうです。小学二年生にとっては確かにそちらのほうが楽しいでしょうね。温泉やカップヌードルで釣るにもさすがにその手のアミューズメントには敵わないでしょう。
もう少し”山”としての楽しみが分かってもらえれば嬉しいのですが、私自身がチビワンの歳の頃には登山自体「楽しい」とも思っていなかったので無理なからぬことでしょう。着いてきてくれるだけでも十分有り難いんですよね。
牛奥ノ雁ヶ腹摺山シ、ョートルートかつ曇天で空模様を伺いながらとはいえ、奥秩父を堪能できる良いお山でした。是非次回は秋口にでも、小金沢山とセットでリベンジしたいですね。
山行データ
- 出発時刻 / 高度: 08:00 / 1615m
- 到着時刻 / 高度: 11:33 / 1615m
- 合計時間: 3時間22分
- 合計距離: 3.04km
- 最高点の標高: 1977m
- 最低点の標高: 1615m
- 累積標高(上り): 347m
- 累積標高(下り): 346m
Reliveで山行振り返り