2018.12.26
恐らく2018年最後になるであろうチビワンとの山行。去年は除夜の鐘を鳴らすかの如く、富士・御坂エリアにある杓子山に登りました。今年も杓子山に登って恒例化しようかとも思ったのですが、富士山の眺望あっての杓子山といっても過言ではないこのお山、今年は日程上天気が芳しくないようなので、同じエリアの蛾ヶ岳(ひるがたけ:1279m)に登ることにしました。
蛾ヶ岳は山梨百名山の一つでありながらも昭文社の「山と高原地図」にはルートが掲載されずひっそりと佇むお山。年末とはいえ平日ということもあり、静かな山旅を期待して臨むのでした。
目次
山行ルート
「ゆるきゃん」でお馴染みとなったキャンプ場がある四尾連(しびれ)湖から登山道に入り、蛾ヶ岳へ至る稜線を歩き、西肩峠からは三方分山や精進湖に至る主稜線の急登を抜けて蛾ヶ岳に登頂します。復路は大畠山までの分岐まではピストンで歩き、大畠山および四尾連峠を経由して駐車場のある四尾連湖に下山します。
登山口から稜線、西肩峠から山頂までの登り以外はほとんど起伏が無く、のんびりと歩くハイキングコースです。
南アルプスおよび八ヶ岳方面を向いた場合はこのような位置関係です。
山行目的
2018年を締める山行。前回の雁ヶ腹摺山に続きのんびり歩き、山頂でゆっくりと過ごすのが主な目的。冬季は逆行がより強くなりますが、山頂からの富士山もバッチリ収めたいですね。
そしてもう一つは・・・
本日の山行目的
- のんびり歩き、山頂でもゆっくり過ごす!
- 山頂からの富士山を拝む!
- 人生初のフルサイズ機を実戦投入!
そう、新調しちゃいました!カメラ!
フルサイズセンサーを楽しみながらのからのスタート
四尾連湖 水明荘の登山者向け駐車場(第二駐車場)に着いたのは午前9時過ぎ。世間では年末休暇に入っている人もいると思いますが、まだ暦上は平日。そのうえ山梨百名山とはいえ知名度はそれほど高くない蛾ヶ岳とあって駐車場はガラガラ。ひっそりのんびり楽しみたいとは言え、貸し切りというのは少々寂しい気もしました。
ポツーンと一台。結局この日は最後まで私たちだけがここから入山したようです。
チビワンはここ最近”蝶蝶結び”ができるようになりました。まだまだ手つきは覚束ず、締め付けもゆるゆるなので仕上げは私がやる必要がありますが、それでも色々なことに挑戦する姿勢には嬉しさもあります。こうやって少しずつ色々なことを覚えて成長していくんですね。
では出発しましょう!今日もザックにはしっかりと防寒具と大事な大事なヌードルが詰め込まれています。
駐車場脇の登山口。このルートは手作りの道標が多かったですね。
街中では何度か試し撮りを行っていた新カメラですが、お山で使うのは今日が初めて。APS-Cセンサーで少々窮屈な思いをしていた35mm単焦点ですが、ここまで寄れるのが嬉しい。そして寄れることでより顕著になるボケがまた素晴らしいですね。
チビワンと二人での山行は先月末の雁ヶ腹摺山以来。久々(?)のお山らしいお山に、チビワンの目移りや寄り道は相当なもの。
でも無関心よりは興味を持って立ち止まってくれたほうがいい。それが子供と自然の中で過ごす上ではピークハントより大事なことですね。
葉が散って少々の寂しさを感じるものの、一方で褐色の落ち葉に温かみを感じるのもこの時期ならではです。
撮影していてワクワクが止まりません。60Dから7Dに変えた時はこんな衝撃はなく、正直ここまで新鮮な感覚になるとは思いもしませんでした。
接写は開放から一段落としたf/2.2で撮影していましたが、周辺減光はかなり顕著。個人的には周辺光量落ちは好きなのであまり気にしませんが、用途によっては補正が必要になりそうですね。このオールドレンズ感がたまりません。きっとニヤニヤしながら歩いていたことでしょう。このカメラにしてようやくこのレンズ(EF35mm F2.0 IS USM)の良さを引き出せた気がしますが、このレンズ、意外と優等生なのでは?と思うようになりました。高額なレンズの部類ではありませんが(それでも安くはありませんが)コストパフォーマンス的にはとても良い気がします。
さて、そんな中チビワンは急登も走り出すほどにエンジンが暖まってきたようです。
私が撮影にのめり込んでいる間にどんどん進んでしまっていたチビワン。遅い遅いと言わんばかりにドヤ顔で待ってくれていました。
気温は2度ですが、この辺りはほぼ無風で日差しもありポカポカしています。インナー2枚+フリース程度で丁度よいみたいです。私は厚手のインナー1枚とソフトシェルでチビワンと同じくらいのウェアリング。
当然ながらフルサイズ、ファインダー視野に対するAF測距エリアは相対的に狭くなります。私は日の丸構図があまり好きではなく、このくらいの構図を好むのですが、いくら61点の広い測距エリアとはいえ、フルサイズ機ではフォーカスロックしないとこの手の絵は撮れません。その点に関してはAPS-Cのほうが使い勝手は良さそうです。まぁこれはそもそも善し悪しの比較ではありませんが。
あくまでEOS 7D Mark IIとの比較ですが、ダイナミックレンジ、特に低感度のシャドウのレンジが良くなっているような気がします。
また、7D Mark IIの時はこのような状況ではかなりコントラストの強い絵になっていた気がするのですが、全体的にマイルドに表現され、さらにしっかりと解像されていると感じました。
これもほとんどレタッチ要らず。これも「Dual DIGIC6(7D2)」と「DIGIC6+(5D4)」の違いなのでしょうか・・・?
起伏の少ない尾根歩き
さて、最初の登りを終え、ここからはしばらく起伏の少ない比較的フラットな登山道を歩きます。
歩き始めてから数分後、チビワンが何やら感嘆の声を上げていました。
「パパー!なにこれー!?」
地面がごっそり持ち上げられているような光景ですが、どうらや根に絡みついた土ごと一緒に引き上げて木が倒れたようですね。チビワンにとっては今日初のナニコレ珍百景だったようです。
「倒したぜー」と言わんばかりのドヤ顔
倒れた木に取り付いては・・・
登ってみたり。
引き上げられた土の下に入り込もうとしますが、中が蜘蛛の巣だらけだと知り・・・
逃走!(笑)
まぁ、楽しんでくれているようで何よりです。
途中、こんな痩せ尾根が二か所ほどあります。よほどふざけない限り滑落することはありませんが・・・
しばらく歩くとこんな倒木の残骸が。何に見える?せーの・・・
痩せ尾根のあるような場所では若干視界が開けます。こちらは甲府盆地と奥秩父方面。
めげないチビワンはしばらくイガを見つけては痛い思いをするのでした。これも勉強かな?
悉く小さく、穴も開いてて残念な収穫。
本当に歩いていて気持ちの良い小径。
落ち葉の回廊では、ゲイター必須なほどの量です。
いい感じですね(絵も雰囲気も)
唯一の橋。崖の上部にある気にワイヤーが結び付けられています。
アップダウンの少ない登山道ですが、ある意味単調なので時間が長く感じられます。チビワンも「もっと岩がある場所も歩きたいなー」と。
そうこうしている内に、西肩峠が見えてきました。岩場ではありませんがしっかりと急登を味わっていただきましょう。
最後の急登を経て山頂へ。富士山は・・・
西肩峠は蛾ヶ岳を経て釈迦ヶ岳や三方分山に至る尾根、峰山集落、そして四尾連湖方面への分岐となる峠。峠にはお地蔵さまが彫られた石碑があり、昭和二十年頃に建てられたと思われる記載がありましたが詳細は読み取れませんでした。恐らくは蛾ヶ岳開山に伴って祀られたものかと思います。ここからいよいよ最後の急登となります。山頂までは15分ほどの距離です。
先ほどまでがぬるま湯状態でしたので、一気に登高するこの道はなかなかに堪えます。
息も上がり始めますが、西肩峠からこの尾根道に入ると風もよく通るようになり、火照った体には心地よく感じられます。山頂まであと少し!
そして11時34分、山梨百名山 蛾ヶ岳、登頂です。お疲れさまでした!
富士山はレンズ雲を被っていますが、まずまずの眺望ですね。風がわずかに出てきたので、防寒を重ねてランチの準備です。
富士見ヌードル♪今日は醤油です。
私もコーヒー。マンデリンG1はチビワンが挽いてくれました。
富士見コーヒー♪
中央左は八ヶ岳、その右には今年春に登った茅ヶ岳。
右に目を向けると奥秩父主稜線。中央が金峰山ですね。
南アルプスは手前右の鳳凰三山は見えますが、白峰三山は雲の中。八ヶ岳と言い富士山と言い、3000m級のお山は軒並み雲をかぶってしまったようです。
山頂は貸し切り状態なので、三角点にカメラを置いてセルフ。二人そろって「撮れてるの?」という表情(笑)
からの~、デュエル!
さて、山頂でかなりゆっくりしたのでそろそろ下山しましょう。
のんびりと下山。大畠山、四尾連峠を経て
下山開始です。山頂で色々遊んでいるうちにすっかり体も暖まり、むしろ熱くなってしまいましたが、まだ多少風も続いているのでライトシェルジャケットに着替えました。よほどの厳冬期のお山でなければ、ベース2枚は固定で、フリース、インシュレーション、ライトシェルの3つを組み合わせることでかなり柔軟に対応可能だと思いました。
下山時には太陽の位置も変わり、より明るくポカポカと気持ちの良い道を歩くことになります。
チビワンもノリノリ。おもしろポーズ三選。
チャージはもちろん干し梅で♪
大畠山(この案内では大畑山となっていましたが)への分岐。先は行き止まりなのでまたここに戻ってくることになります。
分岐からわずか3分程度。うーん、道を間違えた?って感じになるくらいの行き止まり感。
しかし・・・行き止まりと書いてありながらもその先にピンクテープがあるというのはどうなんでしょうね??
山頂には小さな山頂標と三角点があるのみです。
と、この鉄塔・・・。この鉄塔のために三角点を置き、点名(三角点名)をそのまま山名にした流れでしょうか?
残念ながらゆっくりと楽しめるほどの場所でもなかったので、早々に引き返しました。
四尾連峠まではわずかに下りつつもかなり単調なので少々飽きてきます。チビワンも思わず走り出し・・・
四尾連峠に到着しました。ここは文学碑公園とも呼ばれているそうです。
ここには詩人野澤一が詠んだ句の詩碑があります。野澤一はここ四尾連湖周辺の小屋で自然とともに過ごしたそうですが、40歳という若さで結核により他界したそうです。私も今年40歳になったところでしたので、何か感慨深いものがあり、特別な出会いを感じました。
さてここまで来たらあとは四尾連湖降りるだけです。チビワンも余裕の表情と鼻歌まじりで歩きます。
この表情(笑)
お決まりのスパート!
四尾連湖に戻ってきました。天気が良くて紅葉の時期だったらさぞかし綺麗だったことでしょうね。
フィニーッシュ!・・・なにそのポーズ(笑)
のんびり歩いて14時59分、無事に下山しました。お疲れさまでした。楽しみにしていた”みたまの湯”に行きましょう!
カンパーイ!(さっき一本飲んだのでミニサイズ)
お絵かきタイム。最近は漢字に非常に興味を持っているので見本を書いてあげると、それを早速写して書いていました。
まとめ
前回の雁ヶ腹摺山といい、のんびりもいいのですが、あまり単調すぎても飽きてしまうようですね。とはいえ今回の蛾ヶ岳、お手軽で静かに歩けて天気が良ければ富士山に南アルプス、八ヶ岳に奥秩父主稜線まで見渡せるなかなかにいいお山だと思いました。2018年の山行をこのお山で締めることができてよかったと思います。来年もどんな山行が待っているのか楽しみですね。
そして新カメラ!ワクワクが止まらない素晴らしいカメラでした。しばらくマンネリ感があったのですが、これでまた新たな深みにはまりそうです。
山行データ
- 出発時刻 / 高度: 09:41 / 920m
- 到着時刻 / 高度: 14:59 / 917m
- 合計時間: 5時間18分
- 合計距離: 9.07km
- 最高点の標高: 1241m
- 最低点の標高: 890m
- 累積標高(上り): 490m
- 累積標高(下り): 500m
Reliveで山行振り返り