子供の成長は早いもの。つい最近買ったと思っていたmont-bellのマリポサトレールkid’sも気付けばサイズアウト。コロナ禍の影響で機会が若干減ったとはいえ、もう少し履いてもらいたかったという気がします。幸い、我が家は男子兄弟なので、第二の人生(靴生?)が待ってはいますが・・・。
マリポサトレールkid’sで気になっていたこともあり、今回は日本人向け登山靴としては定評の高いキャラバンの登山靴を購入することにしました。本格的な子供用登山靴、C1-JRのレビューです。
目次
mont-bell マリポサトレールkid’sで気になっていたこと
① 複雑な作りへの不安と対応策の手間
これは購入当時からわかっていたことではありますが、リール式の複雑な作りが万一の時にどこまで手短に対処できるかが気になっていました。
予備のシューレースを使うのは事前検証では困難でしたし、常に補修部材やツールを持ち合わせていなければなりません。大した負荷ではないのですが、いざという時の選択肢が限定されるのが地味にストレスでした。
② リール式による堅い締め付けへの不安
山行中、チビワンが何度か痛みを訴えることがありました。リール式の登山靴は大人用であっても、機械的な締め付けに違和感を覚えるユーザもいたようです。ただ、痛みを訴えたのがほぼサイズアウトしかけていた頃なので、リール式が原因かどうかはわかりません。親としても同じリール式の登山靴を履いてみれば多少は不安も解消されたかもしれません。
とはいえ、上記二点が実際に現実問題として起こって困ったというわけではありません。着脱の容易さという面ではやはり随一だと思っており、リールアジャスト式のメリット/デメリットをどう捉えるかだけの問題だとは思います。
日本人向けとして定評のあるキャラバン登山靴キッズ版
キャラバンの登山靴と言えば、日本人の幅広な足型をベースに作られているということもあって、入門クラスから品ぞろえも多く定評があります。そのキャラバンから販売されている子供向けの登山靴がこちらのC1-JRです。
C1シリーズは女性にも合うものが多く、親子でキャラバンC1履いてます!というご家族もよく見かけるほどです。
つま先周りはラバーで覆い、アッパーにかけてはベロア素材とナイロンの混合。キャラバン独自の防水・透湿機構「Air refine」を採用しています。
ソールは水および泥はけのよいパターン。
シューレース式とリール式のイイトコどり?
上部はこのようにベルクロになっていますが、これをベリリと外すと・・・
このように、コードロックが付いたシューレースになっています。
このように緩めた後に足を入れ、
ロックを下ろすことで固定します。この機構のメリットとしてはスバリ、
- 子供の力でもしっかりと靴紐を締め付けることができる。
- リール式と違って、柔軟性のある締め付けができる。
の二点に尽きると考えていて、これがまさにシューレース式とリール式のイイトコどりではないかと思っています。
オススメはコードロック+蝶々結び
実は、しっかり締め付けると、このようにダラーンとかなり長く靴紐が余ってしまいます。このままでは言うまでもなく歩行上危険です。
色々パーツを使ってみたり他にまとめる結び方も考えてみたのですが、中途半端に面倒になってしまい、簡単に締め付けができるコードロックの良さが失われてしまいました。これでは本末転倒です。
結局のところ、コードロックを締めた状態で蝶々結びするのが一番良いのではないかと。
蝶々結びするのは、いずれはきちんと蝶々結びができるようになるための練習と捉えることにしました。ただ、目的はあくまで余った靴紐をまとめるためということです。しっかりきつく結べなくても、ここまでまとまっていれば、あとは上からベルクロを巻いてしまえばまず解けることはない・・・と思います。
最後はベルクロでしっかり固定。
成長に合わせて調整できる二重インソール
登山靴は消耗品という考え方をしていますが、消耗品と言えどもメンテを怠ると100%の性能は引き出せません。しかしながら、どれだけ大事に使っていても子供向けである以上避けられないのが成長によるサイズアウト。
ポジティブに捉えれば子供の成長は非常に喜ばしいことではありますが、お財布事情を考えると悩ましいところ。かと言って品質や性能を落としては登山においては本末転倒。となれば一つの登山靴をなるべく長く使える工夫が備わっていることが一番です。
このC1-JR、チビワン向けには実は少し大きめのサイズを買っています。前回のマリポサ・トレールが20cmだったのに対し、今回のC1-JRは22cm。チビワンの足のサイズが大きくなったということもありますが、それでも2cm飛ばしは初めてのこと。
サイズの決め手となったのが、このキッズ/ジュニアモデル独自の二重インソール。成長に合わせて、補助のソール(下の黒色ソール)を切るなり外すなりして、可能な限りサイズアウトまでの寿命を延ばしてくれています。これも、嬉しい配慮ですね。
フィールドレビュー
その前に
さて実践投入ですが、その前にいつものことですが防水スプレーを吹きかけておきます。この登山靴ももちろん防水タイプですが、念には念を入れてさらに防水処理を施しておくことをオススメします。
私が普段使用しているのはAMEDAS防水スプレーです。
特に秀でた部分があるスプレーではありませんが、それなりのコスパと性能からリピートしています。
防水スプレーは各メーカーから多種販売されていますが、登山用品として使用する者に使うのであれば、必ずフッ素系防水スプレーを使用してください。
シリコン系防水スプレーは安価で持続性も高いのですが、膜を作って撥水するため通気性が失われてしまいます。ゴアテック等に代表される防水透湿機能を無効化してしまうことになります。
一方、フッ素系防水スプレーは少々高額で持続性も低いのですが、繊維に張り付いて撥水するので、通気性を損なわないという特徴があります。
鬼ヶ岳を歩いてきた!
購入してからかなり時間が空いてしましましたが、富士御坂山塊の鬼ヶ岳にて、早速この登山靴をチビワンに履かせて歩いてきました。
今回、余程のことが無い限りは、入山から下山まで登山靴の着脱に関してはすべてチビワンにやらせることにしました。
実際、チビワンにやらせてみると、やはりコードロックでの紐締めはとてもラクだったようで、見守っている親を含め、親子共々にストレスは感じませんでした。
このお山では岩場がかなり連続します。登りだったり・・・
下りだったり。
汚れはしたものの破損はなく、フラットな岩面でのグリップもしっかり効いていたように見えました。紐も下山まで緩むことなく、靴擦れらしい靴擦れも無かったので、子供用の登山靴としては十分合格点かなと思います。
まとめ
防水透湿機能など大人向け登山靴と同等の性能を持ちながら、子供の靴紐結びの弱点である締め付けの弱さをコードロックで解消しつつ、シューレース式の柔軟さのある締め付けができるという点では、子供向け登山靴としては非常にバランスの良い製品だと思います。
それなりの初期コストにはなりますが、キャラバンのメーカーサイトでは定期的にセールで扱っていること、Amazonでも扱いが多いのでポイントを利用するなどすればそこそこ出費は抑えられるかもしれません。
今後の山行で気付いたことがありましたら随時更新していく予定です。
追記:1年履いてみた感想(2022/2/23更新)
1年ちょい履いてみた感想を書いてみました。
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