2020.11.1
チビワンとの親子登山は三か月前の三ッ峠山以来。とはいえガッツリとした山行ではありませんでした。
ようやくシーズンとしても最も登山に適した季節となり、深まる秋を楽しみながらのお山に行こうと、選んだのは御坂山塊の鬼ヶ岳。どうしてそんな山名なのかの謎を解きにいざ出発!紅葉狩りに岩稜帯歩きに、果たしてどんなお山が待っているのでしょうか?
山行ルート
富士五湖の西湖西端にある根場(ねんば)エリアの登山口からスタートし、富士山を背に御坂山塊稜線上の鬼ヶ岳に登頂後、稜線上を歩き鍵掛峠を経由して下山します。稜線付近は非常に危険というほどではありませんが岩場も多く、子供にとってはスリリングな箇所もあります。
コースタイム
〔標準CT×1.1で算出〕
09:00 根場駐車場 – 9:30 東入川砂防堤 – 12:00 雪頭ヶ岳 13:00 – 13:20 鬼ヶ岳 – 14:20 鍵掛峠 – 15:20 登山口 – 15:50 根場駐車場
山行目的
3カ月ぶりの親子登山、もう山行そのものが楽しみでなりません。秋深まる10月末とあってとにかくベストシーズンでの登山を楽しんできましょう。
本日の山行目的
- 三カ月ぶりの親子登山を存分に楽しむ!
- 御坂山塊のスリリングな岩場歩きを堪能する!
- 鬼の角を刈る!(?)
- 晩秋の紅葉を楽しむ!
根場駐車場より登山開始
前日の早寝のおかげで5時過ぎに起床して出発できたため、途中で移動休憩や買い物を含めても余裕で8時前には登山口最寄りの駐車場に停めることができました。直前の道の駅なるさわにて着替えやトイレ済ませていたので準備は万端。
鬼ヶ岳~鍵掛峠へ至る晩秋の稜線を背に、いざ出発です!
今日は新調した登山靴でのチャレンジです。キャラバンの「C1_JR」。近々レビューをアップする予定ですが、靴紐はコードロック式になっており、子供でも簡単にしっかりと靴紐を固定することができます。
駐車場から5分ほどで、登山口への案内があります。右手には西湖キャンプ場テント村があります。朝晩はかなり冷え込み手元の温度計でも気温1℃。それでもブームの後押しもあってキャンプ場は賑わっていました。
正面に見えるのが最初のピーク雪頭ヶ岳(せっとうがたけ:1710m)です。鬼ヶ岳はちょうどこの山の裏にあるのでこの位置からは見ることができません。
こちらは少し斜め後方。鬼ヶ岳から鍵掛峠までの稜線です。中央左の岩場が特徴的ですね。山肌を見た感じでは、標高1400m~1500m以上では落葉し、それ未満ではまだまだ紅葉のピークという感じでしょうか。
さて登山道。しばらくは舗装された林道を歩きます。冷え込みますが風がまだ弱いのでウォーミングアップにはちょうどよいですね。
ここが実質林道の終点。駐車場からは30分弱です。東入川堰堤(えんてい)広場と名付けられています。
ここからいよいよ本格的な登山道になります。クマ出没注意の看板が気になったようですが、頑張って登りましょう!
自然の摂理
序盤はこのような階段が迎えてくれますが、さっそくドキリとする光景が・・・
白骨化した鹿の頭部がコロリと。
と、半信半疑なチビワンでしたが・・・
数秒前にクマ出没注意の看板を目にしたばかりということもあって、チビワンちょっと興奮気味(笑) ただ食い散らかされた感じでもないので、襲われたというものではないと思いますが。
自然の摂理というかエコシステムというか、自然ならではの生物の生き死にに触れたチビワン。どんな感想だったのでしょうかね。
さて、気を取り直して先に向かいましょう。
岩の大きさ
学校では色々な長さや重さの単位を習っていますが、自然界のものとの結びつきはまだまだ勘所が合っていないようですね。自然の中でそういう感覚を養ってもらえればと思います。
ケルン積みも忘れずに。
そうそう、人が持ち上げられる重量なんて、たかが知れているのです。
決して急ではありませんが、樹林帯が苦手なチビワンは黙々と坂道を上がります。
方向転換となる場所の目印となる巨岩です。
木漏れ日と急登
次第に陽が昇り始め、登山道にも暖かさが出てきました。まだまだ気温は低いままですが、ホッとする暖かさです。
根こそぎ持っていかれた大木。ここに限らず倒木は今回の山行では多く見かけました。
一人だと黙々と登り続けることになりますが、今日はバディと一緒なので退屈しません。今日のお題は「○○ー○」のように、三文字目が長音符となる言葉を言い合うというもの。これが意外と出てこないもので苦戦しました。なかなかいいお題でしたね。
全体的に、樹林帯であってもこのように切り立った登山道が多かったりします。まぁよほどふざけたりしなければ踏み外すことはありませんが。
着々と標高を稼ぎ、木々の向こうに富士山を拝むことができました。日当たりも良くなってきて汗ばむようになってきたのでチビワンのシェルも脱がせました。
それなりに標高を稼ぐと落葉した気が多くなってくるのですが、それでも真っ赤な紅葉が目の保養になります。しばらくその紅に見とれていると・・・
・・・あっという間においてかれてます(笑)
本当に体力付きましたね。父としてはそれほど手心など加えていないのですが・・・追いつくのも一苦労。頼もしい限りです。
口の方も達者になりました(笑)
ブナ原生林の看板。地図上でも同名でポイントされている場所です。ここから雪頭ヶ岳まで、平面距離ではわずかですが斜度が上がるため山頂まではここから50分が目安です。
ブナ原生林・急登&岩稜帯を抜けて
この辺りまで登ってくると、次第に風も登山道を横切るようになってきます。日差しは強くても気温そのものは低いので風は冷たくなります。先ほどシェルは脱がせたばかりですが、ここで再度また着せました。
それにしても休む間もない登り坂。チビワンもよく頑張っています。
「見て見て!」
チビワンが指さした方向は・・・
どーんと富士山!
ようやく展望らしい展望の富士山が見れましたね。どうしても逆光になってしまいますが、拝めただけ良しとしましょう。
少し西側に目を向けると、裾野の先にはわずかに本栖湖と竜ヶ岳、雨ヶ岳や毛無山など、御坂山塊西部の峰々も目にすることができました。
良い景色に後押しされて、またもや活気を取り戻しました。
と同時に、この辺りからゴツゴツとした岩場も登山道に多く登場するようになりました。
本日最初のロープ場です。
三点支持を基本とした岩登りをしてもらいます。チビワンとしてはロープを持ってアスレチック感覚で登りたかったようですが、お山では厳禁です。
岩場でのロープや鎖は基本頼らず、どうしても使わなければ上がれないという時でも、体重を預けずあくまで補助として使ってください。これは子連れ登山でも同様だという認識です。
よくできました。
続いてこんなとこも。
と何やら指をさしてますが・・・
ついに、雪頭ヶ岳山頂に登頂したのでした。
雪頭ヶ岳、絶景ランチ♪
午前10時49分、雪頭ヶ岳(1710m)登頂です。お疲れさまでした。
お花畑と呼ばれる山頂広場。ここで絶景を眺めながらのランチとしましょう。
お湯を沸かして、定番のチキンラーメンに続き・・・
最近白米のご飯が好きなチビワン。今日はメスティンで炊飯することにしました。この標高で炊くのは初めてなので、果たしてうまく炊けるかどうか・・・
その間に、最初にお湯を入れておいたアルファ米のお赤飯を。よく食べるなぁ(笑)
よし!炊き加減は上々♪
標高と気温、あと無洗米だったことを考慮すると、水はもう少し多めでもよかったかな?
本家トランギアではなくMiniCamp製ですが、バリ取りも不要でコスパ高しです!
うんうん、今日一番の笑顔だよ。
今度はメスティンでお赤飯を炊いてもいいかなと思いましたが、袋に入ったやつもあれはあれで好き!とのこと。なんかわかるわーそれ(笑)
それにしても、メスティンでの炊飯を山で行うとなると、ランチに掛ける時間は即席飯よりも長くなりますね。
お米は入山直前に水に漬けてくることで「炊飯前に水につけておく」というステップは省けますが、炊飯(強火15分⇒弱火10分)+蒸らし(15分)となり、約40分必要になります。
さらに、炊飯中の約25分はガスバーナーを占有するというのが大きいですね。その間は他の調理や湯沸かしができないので。
今回は
- 600mlのケトルで湯を沸かす
- アルファ米の120mlほど注ぐ(⇒20分放置)
- 水を追加して再度沸かす
- チキンラーメンに二人分(600ml)注ぐ
- メスティン炊飯開始
- チキンラーメン食べ終わる頃にアルファ米完成
- アルファ米ごはん食べてる間は炊飯
- メスティン炊飯完了
という流れで極力遊び時間を減らそうと思ったのですが、それでも炊飯が入ると全体のランチ時間は長くなりますね。
登山用の保温ボトルなどと併用すれば多少は短くなるかもしれませんが、荷物が多くなりますし・・・今後の課題ですね。
鬼ヶ岳への道・核心部へ
さて、お腹も満たされたところで、登山再開です。雪頭ヶ岳から鬼ヶ岳までは20分ほどの距離ですが、核心部とも呼べる岩場に満ちたスリリングな道です。気を引き締めて行きましょう。
ここもなかなかの岩場です。先ほど教えた通り、三点支持を意識して登りましょう。
その岩場を登りきると、ようやく東側の山々が見えてきました。手前は毛無山から続く十二ヶ岳ですね。稜線づたいに黒岳、さらに中央奥には三ッ峠も見えました。
ここは前半部分で一番の絶景とも呼べるかもしれません。稜線に沿って中央には王岳、それに続く御坂の山々の向こうには南アルプスが一望できます。
疲れも吹き飛ぶ絶景とはまさにこのことです。
チビワンが楽しみにしていた梯子。
慎重に慎重に。一人が登りきるまでは待ちます。
続いて私の番。梯子の中腹から。手前の岩を入れて斜度と高度感が伝わりますでしょうか?
梯子を登りきると、ちょっとしたゲレンデが。右の岩場に上がると・・・
キレッキレ!
崩れやすくもなっているので、細心の注意が必要です。
なにやら指さしてますが・・・
これまた断崖絶壁で・・・
そして最後の登りを経て・・・
入山から約4時間、とうとう鬼ヶ岳山頂が目のと鼻の先に。果たしてどんな絶景が待っているのでしょうか?そして「鬼」の由来とは・・・?
――後編に続きます――