2019.5.3
ゴールデンウィークは大菩薩嶺!2年前からなんとなくそんな「お約束」ができてしまったので今年もやってきました。GWということで毎年渋滞に悩まされるこの山行、今年こそは!と思いつつもやはり渋滞には巻き込まれてしまうのでした。しかも今年は10連休ということで渋滞の影響はさらに大きくスタートは遅れ・・・。そんな中でも静かな稜線歩きを堪能できる石丸峠を周回するルートをチビワンと歩いてきました。
このルートをチビワンと歩くのは二回目。1年の成長を見る良い機会となりました。
目次
山行ルート
上日川峠の駐車場から唐松尾根を直登し、一気に大菩薩嶺山頂を目指します。帰りは稜線を下り大菩薩峠を経由し、石丸峠から上日川峠まで戻る周回ルートです。状況によりエスケープするのであれば唐松尾根をピストンで下山、または大菩薩峠から福ちゃん荘まで下る最短の周回ルートという選択肢があります。
標準CTでは1時間の休憩込みで5時間ほどのルートですが、累積標高差約800mで10km近い歩行距離なのでそれなりにボリュームがあります。子連れの場合はかなり余裕を持った山行計画で臨んだほうが良いと思います。
山行目的
本日の山行目的ですが・・・いろいろ詰め込んでしまいました。
本日の山行目的
- 1年間のチビワンの成長を見る!
- 大型連休でも静かな稜線歩きを楽しむ!
- カップヌードル禁断サイズを食す!
- 新調したチビワンの登山靴をチェック!
- 小川でジャブジャブ!
上日川峠第4駐車場からのスタート
大菩薩嶺での周回ルートを考えるとき、「石丸峠まで行くかどうか?」を決める重要なファクターとなるのが
―― 第3駐車場を確保できるかどうか?
です。第1~第3駐車場までは山行の起点となるロッヂ長兵衛の周辺にありますが、第4駐車場はロッヂ長兵衛から15分ほど下った場所にあり、この往復が地味に響きます(特にメンタル面で)。
過去の実績から、この第3駐車場を確保できるかどうかの時間的リミットは午前9:00と考えていました。今回も渋滞に巻き込まれ遅れたとはいえ、午前8:20に到着したのであれば大丈夫だろうと思いきやそこは超大型連休、その時間でも第3駐車場はすでに満車、第4駐車場に案内されました。
この時点で何となく「敗北感」が出ていました。第4駐車場スタートで石丸峠を含んだ周回はチビワンも未経験。石丸峠周回だけでもかなりの負荷なので、前回から1年経ったとはいえちょっと難しいかな?と。
もしチビワンがギブアップするようなら大菩薩峠(介山荘)からエスケープ。この場合、最後まで静かな稜線歩きは諦めることになります。あるいは、大菩薩嶺ピークハントは諦め、福ちゃん荘から大菩薩峠(介山荘)まで直行して石丸峠を経由して下山、ということも考えていました。体力的な問題ももちろんですが、夕方からは天気が大きく崩れるという予報もあったので、休憩を沢山とりながらゆっくりと歩くとしても限界があったためでした。
そんな懸念ばかりをしていた私でしたが、チビワンはこの通りやる気満々。先のことなど何も考えていないのでしょうが、だからこそその勢いを信じて第4駐車場からでもフルフルのルートに挑戦してみようと思うことにしました。チビワンに背中を押された感じでのスタートとなりました。
今回チビワン向け登山ギア実戦初投入となったのが、Mont-bellの「マリポサトレールKid’s」。通常の靴ひもを使わずリールで締め上げるタイプのブーツです。これなら靴紐に慣れていない子供でも一人で簡単に着脱が可能です。
本来であれば事前に試し履きをしておくべきところでしたが、なかなか時間をとることができず、ぶっつけ本番でのデビューとなりました。別途レビューの機会を設けられればと思います。
ロッジ長兵衛までは15分ほどですが、開始早々なかなかに登り応えのある急坂によって、眠っていた山の感覚を呼び起こされるような感覚になります。
いきなりの坂でしたが、登山靴の違和感は無さそうですね。
キリっと目の覚めるような涼し気な空気の中、朝陽を受けながら歩きます。
木道までやって来ました。ここまで来ればロッヂ長兵衛までは平坦道です。
第3駐車場前を通過。ようやくここにきてスタートを切れた気持ちになります。
ロッジ長兵衛到着、ようやく本戦開始
ロッヂ長兵衛に到着しました。バスで来ている人の多くはここで降りるので、とても混雑していました。
ここから福ちゃん荘までは登山道と舗装路に分かれますが、ここは迷わず登山道で。
くだらないことを考えているときもこういう表情(笑)。
あっという間に福ちゃん荘が見えてきました。
そういえば、ちゃんとここに寄ったことってなかったんですよね・・・。
のんびりとした登山道も終わり、いよいよ唐松尾根へと向かいます。
富士を背に、唐松尾根へ
直登なので急登になりますが、その分早く大菩薩嶺まで辿り着くことができます。ダラダラせず短期決戦を目指すのであればこちらのほうがオススメ。この登りさえ終われば「あとは長くても絶景を見ながら稜線を下るだけ」というのが精神的な負担も少なくて済みます。
帽子で隠してますが、鼻ホジやってます(笑)
まだまだ余裕な証拠かな?
この枯れ木が目印、いよいよ急登のスタートです。
しばらく歩いて背を向けると、早速本日の初富士山。これなら疲れも多少は癒されますね。
早起きによる寝不足と一気に負荷のかかる急登により、毎年この辺りから歩みが遅くなるのですが、今日はまだまだ余裕がありそう。これも1年の成長の証かな?
岩々の登りになってくるとペースが上がってくるのは相変わらずです。
高度を上げると富士山もより一層クッキリと見えるようになります。
あっという間に雷岩直下まできました。まずは大菩薩嶺山頂まで行ってしまいましょう。
チビワン3度目の登頂です。チビワンにとっては金時山に続いてピークハント回数の多いお山です。
撮影ありがとうございました。
さて、それでは雷岩まで戻って、絶景を見ながらのランチとしましょう。
その名は”KING”
さて雷岩。ランチの準備です。
てっきり”BIG”サイズのカップヌードルを食べれると思っていたチビワン。ちょっとトボけたフリして返すとブー垂れ始めます。
表情がみるみるニヤついたものに変わっていきます(笑)
そう、念願の”KING”サイズのカップヌードルを食す日がついに来たのです!(笑)
気圧差での膨張でパンパンに膨れ上がり、開封と同時になった破裂音で盛り上がるチビワンでした。
最大級のヌードルと最高峰のセット。
・・・まさにバケツ(笑)
まぁ、お味は同じなのですけどね。
さすがにKINGサイズを丸々1個食べさせるのは気が引けたので私と二人でシェアしました。ところが食べてみてそれほど量が多くは感じませんでした。てっきりBIGサイズの倍くらいあるのかと思っていたのですが、よくよく見て見たところKINGサイズの麺の量は120g。レギュラーサイズ(70g)の2倍すらもなかったのです。これを二人でシェアしたのでは量的にレギュラーサイズすら食べれていないことになり、さすがにそれは可哀想(というかエネルギー不足)なので、あくまで予備として持ってきたレギュラーサイズのヌードルも食べることになりました。使うお湯の量を考えても、あまりオトクとは言えなかったのですね・・・。
少々拍子抜けしてしまいましたが、チビワンとしては念願のKINGを食すことができて大満足のようでした。
霞が残念ですが、南アルプスも一望でき、最高のロケーションでのランチです。
それでは、お腹も満足したことですし、二大稜線歩きを楽しむ下山路に向かうことにしましょう。
稜線歩き其の壱~大菩薩峠~
まず始めはお馴染みの稜線、大菩薩峠までの稜線下りです。
雷岩では気温は10度程度でしたが、風が強かったので体感温度はかなり低かったです。チビワンもしっかり着込んだのですが、行動開始後もそのまま・・・。介山荘方面から登ってくる登山者の出で立ちとのギャップがかなり大きいです。
ちょっと高度感のある場所で富士山をバックに。
稜線の途中にある、標高2000m地点の標識。いつもはスルーしてしまいますが、今日は腕時計(ProTrek)の標高基準合わせのために立ち止まりました。思ってより高度がズレていました・・・。
人気なお山である理由がよくわかる場所です。
こちらも数か所岩場があります。難易度は決して高くありませんが慎重に。混み始めると渋滞する場所にもなります。
「あれが山小屋!?(=コーラが飲める!)」
という思考でダッシュ!
とちゅうのケルンにも目もくれ・・・てた(笑)
本能で反応しているようでした(笑)
振り返って大菩薩嶺方面。
取り付き。
「・・・・。」
パッ!
成功!(笑)
奥秩父主稜線と、霞んでいますがその奥にうっすらと八ヶ岳も見えました。
さてチビワンが介山荘だと思っていたのは、賽の河原にある避難小屋でした。
とはいえ介山荘まではあとそれほどの距離もありません。もう少しガンバ!
またまた振り返って。もうすっかり夏の雲ですね。
介山荘到着!コーラではなかったけど唯一残っていたサイダーにて至福の時!
石丸峠まではまだ一山越える必要があるので、ここで英気を養いましょう。
お決まりの構図。撮影ありがとうございました。
稜線歩き其の弐~石丸峠~
さて、チャージを終えた私たちは次の目的地である石丸峠に向かいます。
こちらは歩く人が少なく、今までの賑わいが一気に途絶え雰囲気がガラリと変わります。序盤だけちょっとした難所がありますが、それはチャージ直後、ヒョイと乗り越えていきます。
今までと異なり、倒木もあり少々荒れているためルートファインディングに少々難儀するところもありますが、あえてチビワンを先に歩かせてみました。靴跡や踏み跡、ピンクテープなど、チビワンの感覚で色々と認識しながら進んでる姿を見て、体力以外の面での成長もちゃんとしてるなぁと嬉しく思いました。
15分ほど歩き、ここを抜けると・・・
どーん!と視界が開けます。
GW中ということもあって私達だけでの独り占めというわけにはいきませんでしたが、それでもこちら側まで来るハイカーさんは多くなく、この素晴らしく気持ちの良い景色を堪能しながら静かに歩くことができます。
天狗棚の先は小金沢山や牛奥雁ヶ腹摺山方面。車だとアクセスが難しくなりますが、こちらもいつか歩きたいですね。
天狗棚の左側に見えるのは三頭山でしょうね。
手前が石丸峠の分岐右に折れて引き返すように進むと上日川峠方面です。
個人的には大菩薩峠方面よりも絶対にこちらのほうが絶景だと思っています。
当サイトのトップページの写真も、1年前のこの場所で撮影したものです。
幸せハイク♪
おや?崩壊!?
ありゃ・・・これは通れない・・・
なんて、ここは以前からこの状態で、ちゃんとした迂回路もあります。
これでもか!と言わんばかりの絶景を見せ続けてくれます。やっぱりこっちまで来てよかった・・・
疲れても絶えない笑顔
樹林帯に入ると眺望もなくなり、気持ちいいとは言いながらも少々単調な下山路が続きます。もともと上日川峠では第4駐車場からのスタートというハンデを負っていたためチビワンの体力がそろそろ心配になってきましたが・・・
この表情を見る限りではまだ大丈夫そうですね。
基本的には下りなのですが、一部わずかな登り返しもあるのでそれなりに体力ケズられます。
あいかわらず鼻歌(DA PUMP)まじりでマイペースに歩いているかと思いきや・・・
鼻歌(DA PUMP)がサビに入ると突然ダッシュしてみたり。走り出すようなテンションだったのかな(笑)
とはいえそれなりに疲労はあるはずなので、一旦休ませて大好きな梅干しタイム。
長い九十九折の登山道を抜けると、一旦林道に出ます。ここに「熊出没注意」の看板があることを覚えていたようです。子供の記憶というのは思わぬところで思わぬことを覚えてますよね。
崩壊しているというだけで盛り上がれる男子(笑)
笑ってます(笑)
ニヤついてます(笑)
ほんっとーに下らないことで盛り上がってるんですけどね。
そんな下らないことで二人思いっきり笑えるというのが幸せだったります。
ジャブジャブタイム!
さて、しばらく歩いてバスも通る大菩薩ラインも横切ってしばらく歩くと、沢の音が聞こえてきます。ようやく着きました。ここで大休止とします。
そう、今日は・・・
クロックス持ってきましたー!
前回は登山靴のまま「ドボン」をしてくれたので、今回は準備万端で。
「つっめたーー!!」
さすがに5月初旬の川の水は冷たかったようですが、涼を堪能したようです。
顔も洗ってスッキリ!
水浴びの後はまた登山靴を履きますが、やはりリールアジャスト式は便利ですね。着脱時の億劫さがまったくありません。
改めて渡渉。
難なくクリア!
秋口を感じさせるようなまったり回廊
先ほどの沢が今日のルートでは一番標高が低い場所になるため、上日川峠まではなだらかながらも登り返しになります。
本来なら最後の山場でしんどい場所でもありますが、沢でのジャブジャブ休憩のおかげでそれほど苦にはなっていないようですね。
なんかサンダルをぶら下げているとテント泊のベテランハイカーのようにも見えます(笑)
予定より押した時刻ではありますが、ゴールまであと僅かだし天候の崩れも大きくないので、急がずのんびりと歩くことにしました。
そうなるとやはり・・・
鼻歌、いや普通に熱唱しながら歩いてくれます。もちろんDA PUMPで。
最後の上日川峠までは、先ほど小川以外に小規模の渡渉が2か所ほどあります。
小学二年生が馬鹿笑いすることなんて、くっだらないことばかりなんですが、それでもやっぱりやめられないオトコ二人。
まるで秋口を思わせるかのような回廊。
歩く人もほとんどいないので、本当に静かです。
ぷらーんと枝がぶら下がった木。こういうのを見てしまうとぶら下がりたくなるのが男子のサガですが・・・。
さすがに体重をかけるのはムリだったね(笑)
最後の渡渉です。
ゴール目前でもこの笑顔、嬉しいなぁ。
ここにきて踏切ごっこ(笑)
当然ながら私が通った瞬間に遮断機降ります。わかりきってても笑いが止まらない二人(笑)
ゴールが見えた!ダーッシュ!
・・・と思いましたが
実はまだ残っていたエクストラステージ
すっかり忘れていましたが、私たちのゴールである駐車はこの下の第4駐車場。あともう少し歩かなくてはなりません。「えぇ~~~!?」とか言いながらもちょっぴり嬉しそうな表情(笑)
「この枝を先に踏んだ人が勝ちー」
終始こういうことやってました。
楽しそうな笑顔が何よりの褒美。
シュタッ!(笑)
午後3:48、無事に下山です。お疲れさまでした!
天候の崩れが気になっていましたが、最後まで富士山はその姿を見せ続けてくれました。
一年ぶりの「ほったらかし」
下山後はチビワンの希望もあり久々のほったらかし温泉へ。しかし10連休、ものすごい大混雑でした・・・。まぁ、仕方ないね。
汗を流した後は併設の休憩舎で。ちょっと前までは「どうぶつ将棋」でしたが、成長したものです。
振り返って
大型連休、好天、人気のお山ということで、あらゆる混雑と渋滞に巻き込まれる「GWは大菩薩嶺で!」の恒例行事ですが、そんな中でも静かに絶景を見ながら歩けるというのはありがたいことだと改めて思いました。
そしてチビワンの成長。結局、第4駐車場からの負け戦ムードを見事にひっくり返してくれたことには本当に嬉しく有り難く思います。ここまで頑張り抜いたのはKINGの影響だけではないでしょう(笑)。また、来年も一緒に歩きたいですね。
山行データ
- 出発時刻 / 高度: 08:58 / 1556m
- 到着時刻 / 高度: 15:48 / 1559m
- 合計時間: 6時間50分
- 合計距離: 14.28km
- 最高点の標高: 2037m
- 最低点の標高: 15368m
- 累積標高(上り): 783m
- 累積標高(下り): 783m
Reliveで山行振り返り