2018.5.6
奥秩父随一の稜線美をかかえる大菩薩嶺。チビワンとは一年ぶりの再訪です。
一年前もやはりゴールデンウィーク中で、車でのアプローチだけで疲れてしまったとはいえ、
当時幼稚園児だったチビワンはよく歩いてくれました。
あれから一年。チビワンはどんな成長を見せてくれるのでしょうか。
大菩薩峠よりも秀でているという石丸峠の稜線美をその目に焼き付けることはできるのでしょうか。
山行ルート
今回もロッヂ長兵衛からのスタート。チビワンに有利な”短期速攻”型で一気に唐松尾根で高度を上げ、あとは大菩薩峠まで下るだけというルート。前回は諦めた石丸峠を目指したいところですが、もし体力的に厳しそうなら大菩薩峠から真っすぐにロッヂ長兵衛に下山する予定です。
山行目的
ロッヂ長兵衛を起点としたトライアングル周回はすでに前回クリアしているので、やはり今回は石丸峠経由で下山したいところ。
石丸峠経由であれば渡渉もありちょっとした水浴びもできるのではということで、その2点を目標にしました。
本日の山行目的
- 石丸峠まで歩き、大菩薩峠以上と言われる絶景稜線美を堪能する!
- 渡渉地点ではちょっとした水浴びを楽しむ!
ロッヂ長兵衛より登山開始
市営第3駐車場ゲット!これはロッヂ長兵衛を起点とした周回ルートを歩くには非常に重要な要素です。
第3駐車場が満車となってしまうと、車で10分(歩いても10分)の第4駐車場に停めることになるのですが、この10分のロスが精神的にとても大きいのです。
一年前はこれで失敗しましたが、今年はクリア。幸先のよいスタートとなりました。
ちょっと眠そうなチビワンの目・・・
第3駐車場を押さえたとはいえ、早起きで車での移動時間3時間はなかなかに応えたようです。
熊の標識を見つけるとチビワンにとっては”ラッキーな日”。ぜひ撮ってほしいとのリクエストで一枚。
それでは出発しましょう。
福ちゃん荘までは登山道と林道のどちらかを選択できますが、もちろん登山道を選びます。
五月上旬、朝の新緑が清々しく鮮やかです。
福ちゃん荘までは険しくもなく歩きやすく気持ちの良い登山道です。ここでもしりとりが弾みます。
急登、唐松尾根へ
福ちゃん荘はササっとスルーし、早々に唐松尾根の登りに入ったのですが、ここで少々チビワンペースダウン(右)。車移動の疲れがここででてしまったのでしょうか。
「ちょっと疲れた?」
そう聞くと、「そんなことない!」と言わんばかりダッシュ!なんとなく図星な感じもします・・・このあたり、よく言えば負けず嫌いと言えなくもないですが、登山においては素直になってもらいたいという想いもあります。
岩を見つけては登ってポーズ。
まだしばらくは大丈夫かと思いますが、唐松尾根は一気に高度を上げるので無理は禁物です。
そんな時の私の常套手段は・・・
こうやってチビワンのプライドを傷つけずに強制的に休ませることができるなら、いくらでもピエロになりましょうぞ(笑)
そして振り返ると本日初の富士山!
いやーお見事。鉄塔が残念ではありますが、雲一つない中での見事な全景を見せてくれました。これで少しはリフレッシュできたことでしょう。
しばらくすると、次第に険しい岩場が登場してきます。いよいよ唐松尾根の中枢部へと足を踏み入れます。
全体的にガレているので、岩そのものよりも登山道ですべらないよう注意が必要です。
岩場が好きなチビワンはこのあたりは少しはモチベーションも上がるようで、しばらくは私の前を先行します。
蛇行しながら進む登山道の先の踊り場で、チビワンが声を上げます。
その声に従いおもむろに振り向くと・・・
これはCGではありません、と言いたくなるくらい整いすぎの富士山!下部に見えるのは大菩薩湖です。これはお見事。チビワンが声をあげたくなる気持ちもよくわかりますね。
アップで。霞が少々残念ですが、それでも美しいシルエットです。
いつかこの富士山もチビワンと登れる日がやってくるのでしょうか。いや、やってくるのでしょう。
さて、山頂まであと少しです。
ガレ場を登って登って・・・
さらに登って・・・
10:13、出発から約1時間40分、日本百名山&山梨百名山 大菩薩嶺、山頂到着です。がんばりました!
調子に乗ってこんなことも・・・
登頂も果たしてあとは降りるだけ。そんな認識からか、少し気持ちの余裕も出てきたようです。
山頂ランチ&シエスタ
眺望のない大菩薩嶺から雷岩まで戻り、ここでランチにします。
この眺望を眺めながらのランチは本当に贅沢ですね。
若干霞んではいますが、南アルプスの南部もしっかりと視認できます。
お決まりのカップヌードル。相変わらず美味しそうに食べていますが、少々元気がありません。
この高度で高山病ということは無きにしもあらずですが、可能性は低そうです。食べて元気になってくれるといいのですが、結局食後もすぐに元気を取り戻すことはありませんでした。この後は基本下り坂がメインでの下山なのですが・・・
あいまいな返事。すると・・・
どうやら早起き&長時間の移動に加え、一気に尾根を駆け上がった疲れもあって眠くなってしまったようです。
山頂はそれなりに涼しくわずかですが風もあるので、ちょっとした窪地に身を隠し、レインウェアも着込んで風防とし、横にさせました。
返事もしないまま・・・寝入ってしまいました。本当に眠かったんですね。しかも速攻で寝落ちとは・・・。
山頂でシエスタ(昼寝)というのはショイコを卒業して以来初めてのケースです。
確かに、こんな穏やかで素晴らしい景色を眺めていると眠くもなりますね。
私もここでコーヒーを・・・と思ったのですが、まさかのコーヒー豆忘れorz
うーん、ショック。
昨年夏に登った北岳と、間ノ岳、農鳥岳の”白根三山”。
右端に見えるのは甲斐駒でしょうか。
塩見、荒川も見えますね。
20分ほどでしたがチビワン昼寝から覚めました。すると驚くほどに元気に復活しました。
今までは「眠くなる前に下山しよう」を心掛けていましたが、「山で昼寝をする」という選択肢もアリだったのですね。チビワンはタダでさえ山行中に休憩を取りたがらないので、これは効果テキメン。チビワンならではの”大休止”、今後も大いに活用することにしましょう。それにしても、眠かったとはいえ山の雑草の上でいとも簡単に寝入ってしまう胆力には驚きです。
さて、チビワンも復活したところですし、元気に歩いて下山しましょうか。この調子なら石丸峠へのアプローチも俄然確度が上がりました。
写真は「山小屋(介山荘)に着いたらどっちが先にコーラを飲むか」のジャンケンです(笑)結果はご覧の通り。
大展望の稜線へ
雷岩~介山荘
大菩薩嶺の象徴的な景色となる雷岩からの稜線。空は鉛色ですが、何度見ても飽きないですね。
途中の岩場にて富士山をバックに。完全復活の笑顔、バッチリですね。
楽しい楽しい稜線歩き。チビワンもこういう居場所なら岩場でなくても好きなようです。本当に、歩いているだけで気持ちがいいですね。
だいぶ雲と霞がでてきましたが、それでも富士山は健在。(木で隠れてしまったのが残念すぎる構図ですが・・・)
手前は先ほど登ってきた唐松尾根。その奥には八ヶ岳も見えますね。そして左には南アルプス。
八ヶ岳アップ。編笠山や権現岳、キレットを越えて主峰の赤岳と横岳がほんの少し姿を現してくれました。
恒例のケルン積みも忘れずに(笑)
さて介山荘はすぐそこです。
ジャンケンで買ったのはキミだったね。グイっとどうぞ!
この一杯のために生きてますね~♪(笑)
お決まりの場所で一枚。撮影ありがとうございました。前回はここで肩車でしたが、今回はいいそうです。ちょっぴり寂しいような。。。
では、未踏の地、石丸峠へ向かいましょう!
介山荘~石丸峠
介山荘から先は僅かですが登り返しがあります。
この登り返し、微妙に堪えます。
チビワンも先ほどの昼寝が無ければ厳しかったかもしれません。
小ピークに到達するとここでも視界が開けます。
そして・・・
うわー開けたー!スッッッゴゴイ開放感!
広角でも収めきれないほどの大展望。これは来てよかった!
介山荘までの稜線では富士山とセットでは写せないので、これは嬉しい組み合わせです。
地図上では石丸峠から折り返すように上日川峠に向かいます。
それもこの通り。
幸せだー♪
サイトトップページへの採用確定です。
無名沢でじゃぶじゃぶ
幸せロードを経て一旦林道に出ると、またまた熊標識。やはりここでも「撮って~」
こちらは介山荘(大菩薩峠)から上日川峠へ至るルートとは違い人も少ないので、ひっそりと静かな山歩きが楽しめます。
小屋平バス停の前の林道を横切って進み数分すると、名前こそ不明ですが小さな沢があります。
本日の目的その弐、沢でじゃぶじゃぶです。
ざぶ・・・
ぷっはーーーー!
私もここで顔を洗いましたが、冷たくて本当に気持ちよかったです。火照った顔への最高のクールダウンです。
疲れを忘れて石の上を歩いていきます。
おちるなよ?おちるなよー?
・・・なんて言葉は空しいだけで、予想通り「ドボン!」やってくれました(笑)
替えの靴下などありませんが、ゴールまではあと少し。まぁ好きにやらせてあげましょう。
一通り楽しんで、沢を後にしました。来てよかったね^^
さて上日川峠までもうすぐです。だいぶ日も傾いてきましたね。
濡れた靴下で少々気持ち悪いかと思いますが、最後のひと登り、がんばりましょう。
まるで晩秋を思わせるような秋色の道(左)。こんな素敵な場所を静かに歩けるというのもこのルートの醍醐味ですね。
ロッヂ長兵衛が見えました(右)。ゴールだ!スパートダッシュ!
たっだいまー!楽しかったー!
さて、駐車場に行ってぬちゃぬちゃの靴下を脱ごっか。
駐車場到着!お疲れさまでした。さぁ、帰ろう!
まとめ
山頂で元気が無くなったときは一時期どうしようかと思いましたが、まさかの昼寝復活。山行中に新たにより良いメソッドを生み出すというのはある意味教科書にはない実践の中から得られる貴重な経験値だったことだと思います。これからの山行でも大いに役立ってくれることでしょう。
石丸峠の大展望は大菩薩峠のそれ以上でした。わずかに登り返しという苦労もありますが、それでも大量に釣りが出るくらいのご褒美が待ち受けていました。本当に来てよかったと思いますが、チビワンの昼寝という新技がなければそれも危うかったかもしれません。
素晴らしい一日でした。感謝!
山行データ
- 出発時刻 / 高度: 08:22 / 1608m
- 到着時刻 / 高度: 15:33 / 1584m
- 合計時間: 7時間10分
- 合計距離: 13.74km
- 最高点の標高: 2036m
- 最低点の標高: 1533m
- 累積標高(上り): 625m
- 累積標高(下り): 649m
Reliveで山行振り返り