2017.10.10
キャンプ場に前泊し、翌日の登山で目指すは中央アルプス最高峰の木曽駒ヶ岳。
チビワンにとって初の中央アルプスであり、チビワン史上最高標高点への登頂チャレンジとなります。
紅葉最盛期を迎える千畳敷カールも訪れるということもあり、ワクワクだらけです。
さてさて、どんな山行が待ち受けているのでしょうか。
山行ルート
ロープウェイを使って国内最高標高地点にある千畳敷駅まで一気に高度を上げます。高高地での高度順応をした後、錦秋の千畳敷カールを抜け乗越浄土への急登を終えた後、中岳を抜けて木曽駒ヶ岳山頂に至る直登の最短ルートをピストンします。
山行目的
チビワンにとって最高点となる標高へのチャレンジ。高山病に気を付けながら着実に進みたいと思います。
本日の山行目的
- チビワン史上最高標高点への挑戦!
- 錦秋の千畳敷カールをその目に焼き付ける!
圧巻の千畳敷カール
菅野台バスセンターからバスに揺られて30分。駒ケ岳ロープウェイの乗り場であるしらび平駅に到着しました。
しらび平駅でさえすでに標高は約1700m。10月上旬の早朝はキンと冷えるものがありました。
この時点ですでにシェル(これはレインウェアですが)着用。
幸いロープウェイでは進行方向一番前の場所に乗ることができました。
鮮やかな紅葉と絹のような滝。
ロープウェイ内で歓声が沸きます。
千畳敷駅が見えてきました。
そして・・・
千畳敷カールどーん!!
来てよかったー!な瞬間です。興奮していたのは私だけでしたが(笑)
が、ここで激しく後悔。なんと、広角ズームレンズを持ってくるのを忘れていたことに気付きます。
ズームレンズのワイド端の24mmで撮っていただきましたが、ギリギリ・・・
千畳敷駅のカフェでゆっくりして十分な高度順応をとり、ガラガラにて登山の安全を祈願して、いざ出発です。
乗越浄土への急登
こうやって見るとまるで壁ですね。
いきなりの急登が待ち構えていますが、チビワン、今日はどこまで頑張ってくれるでしょうか・・・
振り返ると南アルプス。西側から眺めるのは初めてになります。
麓のどこかに我々の拠点となるキャンプ場もあります。
不気味な暗雲が・・・
最悪雨さえ降らなければ、とは思うものの、やはり中央アルプス最高峰からの絶景は拝みたいところです。
乗越浄土への急登に取り付きます。気温はまだ低めだったものの、急登により体温が一気に上がります。シェルを脱いで本気モードへ。
左側を見ると宝剣岳の雄姿。
私たちが挑戦するにはまだ少々ハードルが高そうです。
振り返ると、ホテルが併設されている千畳敷カールがすでに小さく見えていました。
逆光ですが素晴らしい景色。よく見ると南アルプス越しにうっすらと富士山が見えました。
胸突八丁が近くなると、浮石ほどではありませんが固定されていない岩が多く、チビワンも少々苦戦します。
休憩中に少し冷えてきたので再度シェルを着用。乗越浄土へはもうすぐです。
乗越浄土に到着しました。ゴールとなる木曽駒ヶ岳が見えましたが、今にも雲の中に隠れそうでした。
チビワンはどうもここが頂上だと思っていたらしく、少々モチベーションが下がります。
伊那前岳も一緒に。雲が気になりますね・・・
高山病?それとも・・・
宝剣山荘から空木岳方面に連なる稜線を振り返ったところ。
いずれはこっちのほうにも歩いていきたいですね。
こちらもゴロゴロとした岩場が続きます。
無駄に体力を使う人(笑)
中岳の山頂まで来ました。
わずかに木曽駒ヶ岳山頂は見えるものの、周囲への眺望がなくなってしまいました。
そこで、右下に見える頂上山荘で、休憩も兼ねて様子を見ることにしました。
中岳山頂から振り返って宝剣山荘。
頂上山荘の休憩室で暖かいストーブが。この暖かさはとても有り難かったのですが、あまりに居心地が良すぎてチビワンに根が映えそうになっていました。
そしてこの時からチビワンの発言がとても消極的になってきました。単に根が生えただけかな?と思っていましたが、どうやら体調があまり良くなかったようです。
千畳敷駅で高度順応のための時間は取りましたが不十分だったかも?と思い「頭痛いとか、気持ち悪いとかある?」と聞いてもそれはないようでしたが、代わりに眠気を少々訴えていました。果たして高山病の症状なのでしょうか・・・?
高高度でパンパンになったビスコ!
大いに盛り上がりますが、その元気も長続きしません。仮に高山病だとすると、高度を下げずに滞在してもあまり効果のある休息にはなりません。小屋の窓から一瞬青空が見えたこともあり、長居するよりは速攻で山頂に行き、すぐ引き返せばよいかという判断にて、山頂を後にしました。
山頂、そして涙
午前10時30分、山頂に到着するも期待は外れて完全に雲の中。そしてかなり冷え込みました。
やはり元気がないチビワン。大好物のカップヌードルを口にするもいつもの反応がありません。繰り返し頭痛や吐き気の有無を確認しますが、「ちょっと眠いだけ」とのこと。
私としてはチビワンの様子がかなり気になり、私の食事は早々に終わらせ、早めの下山の準備をしました。
山頂標での一枚。撮影ありがとうございました。
精一杯の笑顔を出してくれた健気さに、振り返ると涙腺が緩みます。
もう一度頂上山荘へ戻ることにします。
頂上山荘に戻った理由はチビワンの休憩ともう一つはコレ。登頂証明書。中央アルプス一帯の山荘では子供向けに登頂証明書を発行してくれるようです。
これで少しは自信に繋がり、モチベーションアップも期待したのですが・・・
どうやらこの笑顔は最後の力を振り絞ったものだったようです。
この後もう少し休憩して頂上山荘を後にしましたが、中岳への登り返しでついに限界を迎えたようで、
「もう歩けないかも・・・」
この言葉を発した直後に泣き出してしまいました。「かも」という言葉に健気さを感じ、しっかりと抱きしめ「大丈夫、大丈夫」を声を掛けました。
その後は少し落ち着きつつも、歩くのは難しそうで、仕方なく中岳山頂までは抱っこで抱えてあることになったのですが、これがキツくてキツくて・・・。子連れ登山をする以上は覚悟していましたが、やはり実際にそういう状況になるとその辛さはハンパなかったです。
宝剣山荘前にて、山荘で休む旨とあとは下るだけということを伝えなんとか山荘までは歩いてくれました。ここまではくればゆっくり休憩もできるし後は下るだけ。カールの急な登山道が気にはなりますが、今はとにかく休むことが最優先です。
山荘では飲んだ甘酒。心身ともに温まりました。今まで飲んだどんな甘酒よりも美味しく、忘れられない味になったことだと思います。
持参したハンドスピナーで遊び、こんな笑顔を見せるまでに復活しました。
3000m級の山というのも原因の一つとしてあったかもしれませんが、原因はやはり・・・本当に眠かったようです。
前泊のキャンプ場で大いに楽しみ、翌朝は5時半起き。チビワンにとっては少々寝不足だったようです。
いずれにせよ、元気になって心底安心しました。
私の心が晴れたかのように、木曽駒ヶ岳山頂にも青空が広がっていました。まぁ、山あるあるですね(笑)
青空の下での再登頂を近い、乗越浄土を後にしました。
そして下山へ
チビワンはだいぶ元気を取り戻したものの、いざ歩くとなるとまだ抵抗はあったようです。さすがに私もここは抱っこして歩くわけにもいかないので、ゆっくりでいいからと自力での下山を促します。
ゆっくりではあるものの、笑顔を見せて歩いてくれました。
ようやく周囲の景色にも目を向けることができました。奥に見えるのは空木岳でしょうか。行きたいですねー
下界はすっかり雲海が晴れたようです。
千畳敷駅も見えてきました。ゴールはすぐそこです。
そして午後2時19分、無事に千畳敷駅に下山しました。本当によくがんばりました。勝利のコーラを思う存分に味わってくださいな。
望遠鏡を・・・もういつものチビワンに戻りましたね。
キャンプ場に帰ってキャンプファイヤーやろうね。
おつかれさま!
まとめ
ここ最近の中では最も緊張した登山になりました。高所の影響も少なからずあったのではないかと思いますが、寝不足というのは大きなマイナスだったと思います。登山をする上で早起きは避けられないので、ここは何か対策を考えなければなりませんね。
それでも、チビワンは本当によく頑張ってくれたと思います。父としては誇りに思える登山になりました。
山行データ
- 出発時刻 / 高度: 08:09 / 2679m
- 到着時刻 / 高度: 14:19 / 2628m
- 合計時間: 6時間10分
- 合計距離: 6.39km
- 最高点の標高: 2925m
- 最低点の標高: 2625m
- 累積標高(上り): 312m
- 累積標高(下り): 329m
Reliveで山行振り返り
https://youtu.be/QV_5WpShEI4
(追記)
この経験がきっかけとなり、後に「お山で寝る」という特技の習得に至ることになりました。
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