2019.7.30
梅雨に入ってからはチビ達と登山らしい登山がができなくなってしまいました。関東地方もようやく梅雨明けしましたが、気温も一気に30度越えをするような真夏日に。久々の登山でいきなり炎天下での低山ハイクは気が引けたので、高地スタートで涼しく登山をしよう!ということで大弛峠からの金峰山を歩いてきました。
目次
山行ルート
大弛峠から奥秩父主稜線を西に進み、朝日岳、鉄山を経由して百名山の金峰山に登頂します。復路は同じ登山道を戻るピストンルートです。
標高2360mの大弛峠は「車で行ける日本最高所の峠」。標高2599mの金峰山との標高差はわずか239mということもあり、このルートは通称「ズル金」などとも呼ばれて軽視されることが多いのですが、アップダウンが続く縦走路ということもあり、子連れ登山の場合は注意が必要です。
このルートは終始縦走路です。途中で朝日岳と鉄山という二つのピークを越える必要があり、当然アップダウンがあります。最低点と最高点の標高差は239mではありますが、累積標高では520mと倍以上の開きがあります。純粋に520m登ってから520m下るのと、アップダウンを繰り返して累積標高520m分歩くのとでは疲労度が全く異なれば、精神的な疲労度も異なるため十分な余裕をもって臨んでください。
山行目的
すっかり夏山モードになっている奥秩父主稜線。まずは天気が持ってくれることを祈るばかりでした。
本日の山行目的
- 久々のチビワンとの登山を楽しむ!
- 高地での涼を満喫する!
- チビワン苦手の「登り返し」を少しでも克服する!
- ズル金が何だ!チビワン久々の百名山に登る!
とにかく涼しい!大弛峠からのスタート
私は金峰山は二度目になりますが、大弛峠から登るのは初めてです。いつも勝沼ICからは三富方面に向かいますが、今日は長い長いクリスタルライン~県営林道川上牧丘線を抜けて大弛峠へ。到着したのは9時過ぎでしたが、残念ながら駐車場は一杯。林道脇に停めることになりました。平日とは言え相変わらずの人気です。
さすがは標高2365mの峠、気温は約15℃。この日下界の最高気温が35℃の予想だったことを考えると、本当に快適です。
大弛峠に至る県営林道川上牧丘線は冬季閉鎖期間がありますのでご注意ください。
では早速スタートしましょう!テンションは十分です。
登山道に入るや否や、オクチチブーな雰囲気にどっぷり浸かれます。
しばらくは登りが続きます。
二か月ぶりのお山の雰囲気、チビワンはどんな思いだったのでしょうかね。
陽が射すところもありますが、基本は樹林帯の中を歩きます。
午後から天気は下り坂の予報ですが、この時間はまだまだそんな気配は感じさせません。雲の上に来ているということでチビワンもテンション上がります。
木々が根こそぎ倒れている個所がありました。自然の力強さを感じていたことでしょう。男児には大興奮のネタではありますが。
まだまだ余裕。ホジーが出るほどですからね(笑)
待ってましたのケルン積み。今回の登山ではここが一番大きなケルンでした。
真剣な眼差し(笑)
この緑深き奥秩父の雰囲気が本当に私にとっては癒しとなります。
チビツーはこの雰囲気をどのように感じていたのでしょうか。
中間地点、朝日岳へ
岩場の上に青空。視界が開けるフラグですね。
どうやら開放感を一足先に独占したかったようです。
どうでしょうか、この開放感!
ここは中間地点となる朝日岳の山頂前にあたる場所なのですが、ある意味山頂よりも開放感があります。チビワンが独占したくなる気持ちもわかりますね。
写真右奥のほうは御坂山塊になるのでしょうかね。
こちらは振り返って大弛峠方面。奥多摩まで続く奥秩父の主稜線です。右端に切れてますが、去年登った乾徳山もこちらの方角です。
枯れ木ロードにて。その隙間から見えたのは・・・
本日のゴールとなる金峰山山頂が見えました。五丈岩が特徴的です。
少しして迎えてくれたのは、なんとシャクナゲ。奥秩父を代表するような花です。
毎年、最盛期である梅雨の時期を逃し、見れないことが多いのですが、今年はまだ残っていたようです。可憐な出迎えに心身ともに癒されました。
さて、小休止を入れる朝日岳山頂まではあとすぐ、チビワンも「山頂ダッシュ」に入ります。
かなりぞんざいな扱いの(笑)山頂標。眺望も無いわけではないのでもう少し立派な山頂標にしてあげてもよかったのでは?と思ったのですが・・・
「ふい~~~っ♪」ザックを降ろしベンチに横たわるチビワン。まだまだ先は長いのですが、登り返しもあることですし、十分に英気を養ってもらいましょう。
朝日岳から金峰山への眺め。ここでもやはり五丈岩は目印になりますね。広角レンズを使っているからということもありますが、まだまだ先は長そうですね。
さて、ここからは一気に標高を下げまず。
ジャンプはあまりしてほしくないのですが・・・
「付いていてこれるものならきてみなさい」と言わんばかりの不敵な表情のようですが・・・?
どうやら本当にまだ余裕があったようですね。
そんなこんなのやり取りをしながら、往路はいよいよ佳境へと向かいます。
森林限界を抜け、金峰山へ
登り返しも後半、ついに森林限界を越え、蒼穹の広がる尾根道に出ました。
地平線の先は青空と雲。数歩先の眺望に心躍らせます。
姿を現したのは瑞牆山の雄姿。この距離から見てもヤスリ岩の存在感は大きいですね。
チビワンの中で点と点が繋がったようです。こうやって線になる感覚を、地図の上だけでなく実際に歩いて得ることが大事なのではないかなと私は思います。
こんな景色を眺められれば足取りも軽くなりますね。
まるでアルプスの縦走路を歩いているような気分になります。
昂ぶる気持ちを抑えられないかのよう。そしてついに・・・
山頂とうちゃ・・・ゴローン。五丈岩を前にして、花よりゴロンでした。
これぞ夏山と言わんばかりの青空!雲!そして稜線の緑!夏山の良さを凝縮したような眺望が私たちを迎えてくれました。
基本は12℃ほどでわずかに風もありとても快適でした。下界の予想最高気温が35℃ということを考えるとこれ以上にない贅沢です。
本当に、今日来れてよかった!
富士見平へ続く稜線。前回私が歩いたのは5年前の残雪期になります。
振り返って大弛峠方面。やはり少しずつ雲の含む水分が多くなってきているようです。あまり長居はできないかもしれないですね。
まぁまずはともかく、腹ごしらえをしましょう!
今日はしょうゆ味で。
食後はコーヒーを頂きましたが、やはり天候の崩れが気になったので、少し早めの出発をすることにしました。
おっと、山頂写真をそもそも忘れてましたね(笑)
撮影ありがとうございました。
山頂直下はこんな面白い場所が。
そうこうしているうちに東側はどんどん分厚い雲が発達してきました。雨ならまだしも、雷だとちょっと厄介ですね。
さらに・・・
トイレが近い我が隊のメンバーは、プルプル(小用携帯トイレ)無しでは登山が成り立たないといっても過言ではありません。そのストックが残り1個しかなかったというのは準備不足でした。天候といいプルプルといい、不安の残す下山の開始となるのでした・・・。
復路へ。奥秩父主稜線”緑の回廊”
“緑の回廊”とも呼ばれる奥秩父主稜線。私が奥秩父を好むのもこのひっそりと力強い命の息遣いを感じられるからだと思います。
しばし、奥秩父の緑の息遣いをご堪能ください。
「森、飽きた」?と最後の難関登り返し
とまぁこんな感じで、「ザ・奥秩父!」を堪能していた私でしたが、8歳児のチビワンには少々飽きが来てしまったようです。
歩いて・・・
歩いて~
歩いて。
最近ハマりにハマっているDA PUMPを口ずさみながらもよく歩いてるとは思いますが・・・
「森」という表現が小学二年生らしいあどけなさを感じさせてくれますが、さすがにわずかなアップダウンの続く樹林帯を歩き続けるのも少々飽きてしまったようです。
そして待ち受けるのは中間地点である朝日岳への登り返し。
先ほどまでの微妙なアップダウンではなく、完全な急登です。ここはある意味このルートの最後の難関ともいえます。アップダウンの苦手なチビワンにとっても大きな壁でした。
そんなおふざけでもしない限り、この登り返しはクリアできません(?)
やはり下から見ると結構な登りなのです。
再び朝日岳の山頂に戻り、小休止です。
金峰山から1時間弱。こうやって振り返ると、本当によく歩いてきたものです。
さてここからは大きな登り返しもなく、大弛峠までは一直線です。
フィニッシュは笑顔で
ぶー垂れてはいるものの、ゴール間近ともあって口も足取りも軽いようでした。
丸太の道でバランスを取りながらの遊び感覚の歩きも、退屈だった樹林帯歩きの鬱憤を晴らしているようでした。
そしてようやく、大弛峠が見えてきました。
14:38、無事に大弛峠まで戻ってきました。お疲れさま!
まだ余裕はあるようですが、とても清々しい良い表情です。
スタート時には寄りませんでしたが、大弛峠から国師ヶ岳方面に進んだところには大弛小屋があります。下山を労って休憩がてら寄ってみることにします。
距離は0.1kmとありますが、歩いてもわずか1分ほどの場所。小屋泊、テント泊も可能です。
さて今日の下山のご褒美は・・・
ソフトクリーム!下山後のソフトクリームは久しぶりですが、たまにはいいですね。
小屋のご主人のお話では、ここ最近ようやく天候が回復して、太陽光発電で充電ができるようになってソフトクリーム製造機を動かせるようになったばかりだとのことでした。ラッキーでしたね。
振り返って
累積標高は500m以上あり、かつ普通の登山と違ってアップダウンのある縦走路を歩く今回のルート。「ズル金」といえども子供にとっては立派な登山。よく頑張ったと思います。これで「登り返しのトラウマ」も少しは克服できたかもしれません。自信に繋がってくれるとよいのですが。
天気は下山までもってくれた上に、復路では眺望を失わない程度の(これが嬉しい)雲が直射日光を遮ってくれたために余計に体力をケズられることも無かったのは僥倖でした。
幸先のよい夏山シーズンの幕開けとなりました。
山行データ
- 出発時刻 / 高度: 09:12 / 2361m
- 到着時刻 / 高度: 14:55 / 2363m
- 合計時間: 5時間43分
- 合計距離: 10.28km
- 最高点の標高: 2572m
- 最低点の標高: 2353m
- 累積標高(上り): 519m
- 累積標高(下り): 527m
Reliveで山行振り返り