2019.3.14
当初予定していた唐松岳や武尊山などのエリアはすべて荒天の予報。関東地方で唯一快晴予報だった富士・御坂エリアから、三ツ峠をチョイス。数日前に降雪の情報は得ていましたがここまで雪山ハイクを楽しめるとは思いもしませんでした。
三ツ峠の夜明け撮影は1月~2月あたりがベストなので少々機を逃した感はありますが、それでも引き締まる寒さの中存分に残雪期の雪山歩きを楽しむことができました。
山行ルート
ベストシーズンと異なり3月ともなると夜明けも早まりこの日の日の出時刻は5:51。撮影の特等席となる三ツ峠山荘まではこの時間までに到着しなければならないため、三ツ峠山荘までの最短ルートとなる金ヶ窪登山口からのアプローチとなります。
富士の夜明けを撮影した後は、せっかくなので三ツ峠を構成する開運山・御巣鷹山・木無山をすべて踏破するルートを歩きます。
山行目的
本当に久々の雪山ということもあり、感覚を呼び戻しつつ紅富士をカメラに収めることができれば御の字。三ツ峠周辺をのんびり散歩し、時間があれば下山後は新倉山浅間公園にも足を運んでみたいと思います。
本日の山行目的
- 5年ぶりの雪山ハイクを楽しむ!
- 紅富士の撮影とタイプラプス動画を撮る!
- 三ツ峠のピークをすべて踏む!
- 新倉山浅間公園に行く!(オプション)
真夜中の雪道スタート
午前2時前には自宅を出発し、4時には登山口に到着しました。
真夜中だったためこれは下山直前に撮影したものですが、平日であればこの時間に無料駐車場に停められないことはありません。
トイレもあり、中は暖房が効いているのである意味この時期一番快適な場所かもしれません(笑)
準備にグズつき出発できたのは4:30。日の出時刻である5:51を目指すにはコースタイム通りであればギリギリ間に合いますが、登山道の積雪状況次第ではどうなることやら。ヘッデンの光しかない暗闇の中を歩くためイマイチ進んでいる実感を得られず余計に焦ります。
夜明け直前、三ツ峠山荘へ到着
道中はヘッデンの光で足元以外は何も見えないため撮影は割愛。三ツ峠山荘へ着く直前でようやく空が白ずんできました。
三ツ峠山荘へ到着。山荘のテラスが富士山撮影の特等席となりますが、本日は平日ということもあって貸し切り状態。気温は-15℃でかなり冷え込みますが、登山による上気でベースとフリースでも汗がなかなか引かずダウンを着るかどうか悩みましたが、この場所は幸い風も少なかったため取り急ぎシェルのみを着込みます。
夜明け直前、もうすぐです。
眼下に見えるのは富士吉田や忍野の街並み。わずかに山中湖も見ることができます。
5:51、夜明けです。この位置からだと同定が難しいのですが、箱根方面からの日の出になりますね。
紅富士ショーが始まりました。
昇り始めると紅化粧は早いですね。
山頂周辺のみの雲が残念ですが、この雪の量ですから半分は雪煙も混ざっているのでしょう。
ここで30分近くじっと立ち尽くしていたため、両足の親指の間隔が無くなってきました。そういえばソックスが厳冬期向けのものでないことにようやく気付きます。紅富士は十分収められたし、このままでは凍傷になりそうだったので開運山山頂へ向かうことにしました。
3年ぶりの山頂
夏道だと山頂直前はザレた急登になっており非常に歩きにくいのですが、本日はこの状況。まだ日当たりもなく雪が締まっているので軽アイゼンでも容易に登ることができます。
お決まりの山頂ショット。チビワンと登頂以来3年ぶりです。この貫禄ある山頂標の文字はある程度日が昇ってしまうと逆光となってしまい写真だと見にくくなるのですが、この時間であればバッチリです。
ここで気温は本日の最低気温である-17℃に到達。撮影のため十数秒指を露出するだけで痺れるような冷気に襲われますが、ここでもグローブは大いに役に立ってくれました。
右下に写っているのが三ツ峠山荘、先ほどまで撮影をしていた場所です。そこから木無山を経由してロープウェイがある天上山に続く府戸尾根。
その奥は黒岳や大石峠など。南アルプスは予報通り雲の中です。
三ツ峠周辺ハイク
一旦開運山を後にし、もう一つの山荘である四季楽園まで戻り、今度は御巣鷹山まで行ってみます。幸いなことにここも山荘のショベルカーが圧雪してくれているので歩きやすくなっていました。
開運山もそうですが、この辺りは通信基地が多く御巣鷹山も実は山頂には通信施設しかありません。
陽が入り込んでキラキラと輝いていました。
やっぱり空が青い!
御巣鷹山に到着ですが、本当に基地しかなく山頂標すらありません(私が見た限りでは・・・)。
鉄塔が風で鳴り、これだけ明るいにもかかわらず不気味な感じがしました。
御巣鷹山を後にし、今度は別のルートから開運山に向かいます。
ここからはショベルカーの圧雪もありません。数人分の足跡がありましたが、ここからはツボ足歩行。とはいえ深くても膝程度でした。
この感覚・・・楽しい!
久々の雪山ハイクに一人心躍らせるのでした。
そうこうしているうちに、本日二度目の開運山。
手前の稜線中央が黒岳、右が御坂山で左は節刀ヶ岳ですね。御坂の山塊を縦走したのは今から6年以上前のことです。
方角的には奥秩父なので、金峰山あたりが見えるはずですが、やはりこの日は雲の中。
だそうです。残念。いつも通りですがこの日もプルプルのお世話になります。
タダでさえトイレが近いshoytomo家の山登りには必需品です。
四季楽園前のベンチ&テーブルですが、こうしてみるとやはり結構な積雪だったんですね。
一度三ツ峠山荘に戻り、今度は木無山方面を散策してみます。
地図上には「展望地」を記された場所への入り口。
この細道を抜けていくと・・・
突き出した岩の上に出ます。ここも山荘前に次いで人気のスポットです。かなりの高度感がある場所ですが・・・
左奥に見える三ツ峠山荘と開運山山頂の位置関係はこんな感じ。
この先へ5分ほど歩くと木無山ですが、山頂は特に展望らしい展望はありません。
ちなみにこの日は軽アイゼンのみでの山行となりました。軽アイゼンは脱げやすく(この日も一度脱げました・・・)、歩いているうちに後方へずれて足の甲を締め付けるためあまり好きではありません。早くチェーンスパイクを買いたいところですが・・・
タイムラプス動画撮影
時間軸は少々前後しますが、一度三ツ峠山荘に戻ってからはタイムラプス撮影を開始し、その後はカメラ放置で周辺を散策していました。
機材はいつもの雲台(Manfrotto 405)と三脚(Manfrotto 055)のセットです。
実は今までのタイムラプス撮影は通常のインターバル撮影を行ってそれをツールで動画化していたのですが、EOS 5D Mark IVには元々動画の機能の一つとしてタイムラプス撮影ができることお恥ずかしながらつい最近知り、この日はそのモードで撮影を行ってみました。
↓これがその時の動画。5秒間隔400枚分の撮影で、撮れ高13秒(約150FPS)
当然ながら画質に文句はありませんが、意外だったのはバッテリー消費の少なさ。フルサイズの5D4に買い替えてからというもの、とにかくバッテリーの消費に泣かされました。フルサイズという大型のミラー機構が消費を大きくしているのかな?などと適当に推測していましたが、当たらずとも遠からずといったところでしょうか。
というのもこのタイムラプス専用モードではシャッターは電子シャッターを切るのみで、ミラーは常にアップした状態での撮影になります(ゆえに常時無音です)。デメリットとしては撮影中はファインダーを覗いても当然何も見えないのと、液晶画面に何も情報を表示できないというところですが、ミラーによるバッテリーの消費抑制と、数秒おきにシャッター音が鳴らないというのはテント場など音が気になるような場所では大変ありがたく、十分デメリットに勝るメリットだと思います。
余談ですが、三脚にはサクションカップ/リトラクタブル石突に換装しています。雪上でも安定した撮影が可能です。
下山とおまけ
さて、十分に三ツ峠雪山撮影ハイクを堪能したところで、下山です。登山時には真っ暗で何も見えなかった登山道ですが、こんな立派なつららができていました。
基本的にこのルートは山荘の車両が通るので山道とは言えども林道に近く、前日も車両が通過したのか御覧の通り常に轍ができています。
以前のチビワンとの山行ではここで休憩したものでした。当時はチビワンはまだ4歳、あれから3年も経ったのかと思うと感慨深いものがあります。
もうじき下山。この雪道もこれで見納めです。楽しい雪山撮影ハイクでした。
おまけ。
新倉山浅間公園に寄りました。海外からの観光客にとても人気の場所となり、私が訪れた時もアウェーなくらい日本語が聞こえませんでした。
やはり青空と富士山、そして忠霊塔(五重塔)がよく似合いますね。左下は桜ですが、もうじき多くの観光客やカメラマンで大いに賑わうのでしょうね。
まとめ
当初は予定しておらずまさかの雪山ハイクとなりましたが、目標もすべて達成でき、すばらしい一日となりました。今度はまた成長したチビワンと来たいですね。
山行データ
- 出発時刻 / 高度: 04:29 / 1312m
- 到着時刻 / 高度: 09:21 / 1310m
- 合計時間: 4時間51分
- 合計距離: 9.79km
- 最高点の標高: 1767m
- 最低点の標高: 1298m
- 累積標高(上り): 563m
- 累積標高(下り): 563m
Reliveで山行振り返り
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