2022.4.2
前編では北横岳の双耳峰にて絶景を堪能し、ヒュッテでお腹も満たし七ッ池で駆け回り自由に無邪気に楽しみました。
後半は打って変わって険しく雄々しい山容を見せる三ッ岳。どんな山行が待ち受けているのでしょうか。
岩の殿堂、三ッ岳へ
北横岳ヒュッテから下ること10分ほどで、坪庭方面と三ッ岳方面への分岐に至ります。この指導標の隣には・・・
この先、三ッ岳は岩場で危険です。
軽装の方は入らないでください。諏訪地区遭対協
と書かれた少しドキリとする標識があります。もちろん私は夏道も歩いたことがありどの程度の岩場かは把握しています。このお隣の大岳などと比べれば難易度の高いものとは思えませんが、事故防止という観点ではこれくらい強めの表現のほうがよいのかな、とも個人的には思います。
そんな私の内心も露知らず、無邪気なチビワンは私への雪ボムを仕掛けては自爆したりしていました(笑)
てへ♪
三ッ岳までの尾根道といっても切れ落ちた痩せ尾根を歩くわけでもなく、この日はさらにトレースもバッチリでしたのでとても歩きやすくなっています。
早速右前方に砦のごとき岩の殿堂、三ッ岳III峰がその姿を現わにしてきました。
三ッ岳はその名の通り三つの頂きを持つ岩山です。最高峰はIII峰の2360m。北横岳方面からアプローチする場合、III峰 ⇒ II峰 ⇒ I峰という順に各頂を渡り歩いて行きます。
近くまでくるとその存在感に威圧されますね。岩の殿堂、いよいよ取り付きです。
夏道と違い直登することなく巻き道をしながらIII峰の頂上を目指します。個人的な注意点としては・・・
- アイゼンの爪を岩に引っ掛けないよう注意
- 岩のすぐ近くの雪には乗らない(日中は岩自体の温度で周囲の雪が腐りやすいので)
- トレースがある場合はなるべくそこから外れない(踏み抜きの可能性が上がるため)
といったところでしょうか。
トレースの1mほど隣にあった「奈落の口」(笑)
底の見えない闇がとにかく不気味です。トレースを外して踏み抜き、運が悪いとこういうところに落ちます。岩場にたっぷり雪が乗っているときはこういうポイントがあるということを意識していないといけませんね。
で、III峰に到着です。
チビワンの解説が始まりました(笑)
解説をよそに(笑)、カメラは奥秩父山塊へ。よく見ると冠雪している金峰山のお隣に五丈岩も!
自然の偉大さとシリセード祭り
プチ解説休憩を終え、III峰を離れII峰に向かいます。空を見上げると予報通り少しずつ雲も北上してきましたね。
II峰まではわずか5分ほどです。
↑あんなデカイの(笑)。ゆうに5mは越える巨岩です。
でもホント、自然の力の大きさには畏敬の念を抱きたくなりますね。チビワンにもそんな感覚が身に着いてきたのでしょうか?
雪の岩稜帯での宿命ですね。
はい、II峰。
そのままどんどん進んでI峰に向かいます。パウダースノーの下にしっかりと硬いアイスバーンがあるためアイゼンの爪をしっかりと効かせます。
ここを越えると・・・
I峰への激くだり。お待ちかねのシリセード!
たまりませんな。
三ッ岳方面はハイカーも少なく、人目を気にせずのんびりマイペースに行動できます。
贅沢な絶景シリセード。
そんなこんなで、I峰到着です。
振り返ってIII峰とII峰。こちら側から見ると、本当にゴツゴツした険しい岩のお山ということがわかりますね。
よくもまぁあんなにほんわかと滑り降りてきたものです(笑)
激下りからの雪深き雨池山
I峰を離れると、即座にこの激下りゆえ視界が広がります。前方に見えるのは雨池ですね。
深いパウダースノーなので、思ったほどシリセードにスピードは乗りません。へっぴり腰で歩くよりはむしろシリセードのほうが安全かもしれません。
あーあーあー、パンツが上がって地肌が見えてるよ(笑)
それにしてもI峰からのこの急坂、反対周りで登るのはきっと大変でしょうね・・・
コル(鞍部)まで下りきると、今度はチビワン苦手な登り返し。ただ斜度は緩いのでそれほどきつくはありません。
で、雨池山・・・う、埋まってる!
本当に雪深い山域なんでしょうね。ちなみに周囲は樹林帯に囲まれており眺望はありません。
チクチクの樹林帯を抜けて、ゴール!
雨池山以降も引き続き樹林帯の中を歩いて行くのですが、とにかく樹木の枝がウザいのです。
トレースが正規の登山道を外れているという気がしなくもないのですが、積雪量がハンパなくて、本来は頭上にあるはずの枝の高さまで地面が上がっているからではないかと思います・・・。
とにかく引っかかって引っかかって、枝の藪こきをしながら進むような感覚でした。
そんな中をしばらく歩き続けると、途端に視界が開けました。雨池展望台です。
ここからロープウェイ山頂駅も見ることができました。
ここからは雨池峠まで、またひたすらに高度を落とします。正面に見える縞枯山が壁のようです。
雨池峠に着きました。ホッとしますね。
余裕があれば縞枯山・茶臼山方面にも行きたいところですが今日はもうお腹一杯。まっすぐ山頂駅を目指します。
山頂駅まではほぼフラットな一本道なのでのんびり気楽に歩きます。
縞枯山荘も今日は営業をしていました。
寄って行きたい衝動に駆られましたが、「早く行こう」とのことでスルー(涙)
その後も歩いて・・・
歩いて・・・
山頂駅まで戻ってきました。
午後2時4分、無事に下山しました。お疲れさま!
4時間半程度の山行時間でしたが、濃ゆい濃ゆい山旅でした。
♨下山後温泉情報♨
信州蓼科おとなしリゾート 音無の湯
大人:800円
子供:450円 ※小学生以上。未就学児無料
HP内Webクーポンあり(大人100円引き、子供50円引き)
クレジットカード利用可
めちゃくちゃ綺麗で特に露天風呂はサイコーでした !
振り返って
午後から天気は下り坂とのことでしたがそれでも南・中央・北のアルプスはもちろん北部の浅間山や南東部の奥秩父までバッチリ。午前中はしっかりと北八ツブルーを堪能させていただきました。
ランチでお腹を満たされたということもあると思いますが、三ッ岳以降はチビワンも活き活きとしていました。やっぱりイワイワエリアは楽しいよね。今回もバッチリ尻セードできたし。
4月から5年生になるチビワン。そろそろ子連れという感覚も無くなってきましたが、一緒に登ってくれる限りは沢山のお山を歩ければなぁと思います。感謝!
さて、次はどのお山に登ろうか!?
山行データ
- 出発時刻 / 高度: 09:39 / 2233m
- 到着時刻 / 高度: 14:04 / 2240m
- 合計時間: 4時間25分
- 合計距離: 5.55km
- 最高点の標高: 2476m
- 最低点の標高: 2229m
- 累積標高(上り): 341m
- 累積標高(下り): 328m
Reliveで山行振り返り
後日談
山行数日前から右足の踵にかすかな痛みを覚えていたのですが、徐々に痛みが強くなり、この山行の翌日には歩けないほどの痛みが出てしまいました。
後日の診察の結果、骨に異常があったわけではなかったので一安心ですが、まだまだ痛みが取れず、加えて二週間は安静に、とのこと。今期雪山ハイク、これが最後なのか・・・!?