山で一眼レフカメラを携行する際に重宝しているPeakdesignのCapture Pro。先日は同ブランドのストラップ製品である”SLIDE LITE(スライドライト)”についてのレビューをアップしました。今回はそのCapture&SLIDEの運用システムに、さらに同ブランドのハンドストラップ製品である”Clutch(クラッチ)”を加えての運用を考えてみました。
導入のきっかけは・・・腱鞘炎(?)らしき症状。職業柄朝から晩までキーボードを叩いてることも関係しているのだと思いますが、右手の指の人差し指、中指辺りを個別に持ち上げる際に少々痛みを感じるようになりました。
で、そこから飛んで・・・カメラ本体をCaptureに取り付けて運用する際、基本的にストラップ(ここではネックストラップ)は付けていません。前回の紹介したSLIDEへ切り替えるときは何の問題もありませんが、そうでない時は握力だけが唯一の生命線。その握力ですが前述の腱鞘炎モドキが影響して、少々不安を隠せない状態になりました。そこでそれをカバーするためにハンドストラップを検討したのですが、なるべく今の運用に乗る形で導入できればと思ってこのClutchを使ってみた、という次第です。
では早速見ていきましょう。
商品の構成
開封すると以下のパーツを確認できます。
- 本体ハンドストラップ×1
- アンカーリンクス×2
- スタンダードプレート×1
- 4mm六角レンチ×1
- 三角環×1
- 携帯用マイクロファイバーポーチ×1
アンカーリンクスは常時1個カメラに取り付けることになるので、1個は予備です。本体ハンドストラップがカメラのストラップリング(ホール)に通らない場合は三角環×1を使って取り付けることになります。
そして携帯ポーチはやはり出番がなさそう(笑)
プレートについて
スタンダードプレートは従来のCaptureと互換性があります。下の左のプレートが私が現在使用しているPro版のプレート(V2)で、右がストラップに同梱のプレート(V3)です。V3では通常版とPro版という概念がそもそもないようですね。
カメラへの装着面はどちらも大差ないと思いますが、取り付けの便宜を考慮して私は前者(V2)を使用することにしています。
その理由がこれ(背面のネジ)。私が使っている左側(V2)のネジは六角レンチだけでなくマイナスドライバーにも対応していますが、右側(V3)は六角レンチのみ対応しています。実際、運用中にここが緩むことは稀ですが、この対策のために六角レンチだけを持ち歩くというのも少し抵抗があります。重量(数グラムですが)や運搬点数を可能な限り抑えたい山好きならなおさらだと思います。
また、V2はちゃんとしたマイナスドライバーでなくても、10円玉など平らな金属であれば代替えが可能というのも大きな点です。なぜV3で退化してしまったのかが不思議ですが、ここは残しておいて欲しかったなぁ。
プレートへのアンカーリンクス取り付け
アンカーリンクスの取り付けは実はちょっと悩んだところで、ここの解決が無ければレビュー記事として載せるのはどうかな?と思ったくらいです。何のことはない私のチョンボなんですが、ここの取り付け方を間違えるとCaptureとの連携でえらく手間取ることになり、「これ使えんわー!」となりかねないほどのインパクトがあるのでご注意ください。
これが正しい(正しいかどうかわからないけれど、問題が出ない)装着状態。仮に、ハンドストラップから手を抜いてテンションが緩んだ場合・・・
極端ですが、こんな感じになります。ガースヒッチのノット部分(結び目)が基本的にプレートに干渉しません。
一方で、ガースヒッチを上の写真のようにしてしまうと、テンションが緩んだ時には・・・
こんな感じで、ノットがプレートの通り道に干渉してしまいます。わかりにくいのでプレートに対して水平に見てみると、
これがGoodな状態で、
これがBadな状態。わかりますかね?ノット(結び目)のコブがCaptureへの装着の際に邪魔をしてしまうのです。最初Badなほうで取り付けてしまったので、Captureへの装着がスムーズにできず、「あ、これやばいやつ引いちゃった!?」とか思いましたが、こういうカラクリだったわけです。これは特に説明書にも書かれていないので要注意です。
本体ハンドストラップとカメラのストラップホールへのジョイント
ここも本来は難儀する点ではないのですが、SLIDEとの連携も考えると(少なくともEOSは)少々窮屈な作業が必要になります。
これは頑張って装着を終えたところですが、ストラップの幅がカメラ本体のストラップホールとほぼ同幅となっています。なのでSLIDEも使いたいからアンカーリンクスは付けたまま(という人よく見かけます)だと固い革製のハンドストラップを通すのが少々かなりの苦労です。とはいえ一度取り付けてしまえば基本的に外すことはありません。
横から見るとこんな感じ。
ストラップ長の調整
これで準備はOKです。手を通すと以下のような感じになります。
ストラップ長は本体のバックルで微調整してください。実運用中でのアクションを考慮すると、意外とマージンはそれほど多くありません。
というのも、あまりキッチリ締め付けすぎてしまうとシャッタースピードや絞りを調節するために各種ホイールにアクセスする際、きつ過ぎて上の写真の場合のように指に干渉してしまい、かなりのストレスになります。
絞り調節用のホイールを操作する際も同様なので、なるべく干渉を減らすためにストラップを緩める必要がありますが、緩すぎて落下に繋がってしまっては元も子もありません。あくまで落下させないことが最優先ですので、実際の操作をシミュレートしつつ調整してください。
まとめ
これで山行中、
- 通常運搬はCapture
- 撮影時はClutchで落下防止
- ザックをデポしたあとはSLIDE
という流れでの運用ができるようになりました。Clutchの調整も含めてまだまだ使い込んでみる必要はありそうですし、慣れてみないとハンドストラップ自体が煩わし存在になるかもしれませんが、Captureから外した際の落下の危険抑止という意味では大いに貢献してくれそうです。
- Captureから取り外した際の安心感の向上
- Captureとの連携のしやすさ(アンカーリンクスの取付方法注意!)
- ストラップ長の調整のしやすさ
- CaptureともSLIDEとも併用できる
- アンカーリンクス取り付け方法の説明補足が欲しかった・・・
- 強度的に難しいのかもしれないけど、カメラのストラップホール部分の幅がもう少し狭ければ・・・
もう少し運用してみないと完全な評価はできませんが、導入段階ではとりあえず及第点かと。期待値はそれなりに高めです。
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