2020.2.24
遠くのお山、そしてこの時期だったら雪山に行きたい!さらにやっぱり子供と一緒にお山を楽しみたい!そんなワガママな希望を胸に向かったお山は入笠山。
本格的な雪山ではありませんが、2000m級のお山で気軽に雪山登山を楽しめるということで、入笠山は初めての子連れ雪山登山にも最適なお山でした。
目次
山行ルート
富士見パノラマリゾートのゴンドラリフトを利用し、山頂駅から入笠湿原を抜け山頂まで登る最短ルートです。山頂直下で少し勾配が急になりますが、全体的に距離も長くなく積雪期であっても装備が整っていれば子連れでもそれほど難易度は高くありません。
山行目的
あくまで子連れ登山ということを忘れず、子供が楽しめることを第一にしつつも、2000m級の雪山を大人目線でも楽しめれば最高の一日になるでしょう。
本日の山行目的
- 雪山登山を子供に経験させる!
- 登山以外の雪遊びで一緒に楽しむ!
- 久々の雪山歩きと南アルプスからの眺望を堪能する!
ゴンドラ「すずらん」にて標高1700mへ
リフトやゴンドラを利用する利点は何といっても登高の時間を稼げること。浮いた時間で山行時間そのものをゆっくりとしたものにしたり、今回のように雪遊びに時間を回せることができます。
富士見パノラマリゾートに到着したのは朝8:30でしたが、時間的にはまだまだ余裕を感じながら準備することができました。
チビワンも準備万端。さぁ出発しましょう!
利用するのはゴンドラリフト「すずらん」。山麓駅から山頂駅まではわずか10分ほど。あっという間に700m以上の標高を稼いでくれます。
ゴンドラは登山者向けに往復チケットが販売されています。
■料金
大人:1700円
子供:800円 ※小学生以上
公式サイトの割引クーポン提示で大人1500円、子供700円で利用可能です。
■運行時間
8:30~16:00 ※ ゴンドラ下り最終16:30
標高1700mの山頂駅からハイキング開始!
まずは全体マップの確認から。山頂までは林道、遊歩道、登山道がありますが、積雪期は山頂直下を除いてはどこを歩くのも可能なのでルートは入り乱れている感じですが、写真のような案内や道標も多く道に迷う心配はほとんどありません。
去年、冬の金時山登山でまさかのなんちゃって雪山ハイクになり、その時には軽アイゼンをしようしましたが、今回はモンベルのチェーンスパイク。これは女性用のSSサイズですが、20cm以上の登山靴であれば装着可能なので、チビワンの登山靴でも装着できました。
刃の長さは軽アイゼンよりも短く作られていますが、よほど雪が深くなければチェーンスパイクで十分です。ストラップ式の軽アイゼンよりも外れにくくオススメです。
ストックにアイゼンにスパッツ、シェルに防水グローブにニットキャップにネックゲイター。冬山装備としてはバッチリ!
そして雪玉メーカーにヒップソリ、遊ぶ気も満々!(笑)
早速雪玉作りモードで遅々として進みません・・・
新雪状態を壊すのが楽しくて無駄に端っこを歩く人。
しばらく進むと入笠湿原への遊歩道に入ります。ここは樹林帯になりますね。
端っこ歩きは止まらず・・・
わずか10分ほどでスズラン群生地の入口です。開ける視界に、ヒップソリ始動の予感が・・・
入笠湿原とヒップソリ
いやホント解放感抜群の景色。ちょっとしたスキー場の一画にも見えますね。大人も子供も、ヒップソリをやる人多数。
そしてご多分に漏れずチビワンも「よっこらせ」と言わんばかりにヒップソリを構えます。
GO!・・・・と思いきやズズズズとゆっくり進むだけ。どうやらこの場所では難しいようで。
ならばこれでどうだ!と言わんばかりに木階段から少し離れた勾配が急な斜面まで走ります。こういう時の行動力はさすがです(笑)
ササ~ッと綺麗なシュプール(?)を描きながらスムーズに滑走!表情がイキイキ(笑)
だいぶコツを掴んできたようですが、この調子だといつまでも続けそうなのでとりあえず登り返しはせずに先を進みます。
湿原の一部では小さな清流が。通年で流れているのかどうかはわかりませんが、春の訪れが近いことを窺わせてくれますね。
山彦荘前まで続く木道を歩きます。
ちなみに私は12本アイゼンを装着していました。こういった場所では原則としては木道の上のみを歩くのが基本ですが、アイゼンを装着している場合はアイゼンの刃で木道を激しく損傷させてしまうことになるので、私は木道は避けるようにしています。どちらが正解というのは無いのかもしれませんが・・・。
入笠湿原の案内。夏はお花畑となるようですね。
なかなかに逞しい横姿になりました。
山彦荘前にやってきました。この時期営業はしていないようです。
山荘前から、歩いてきた湿原に向かって。本当にスキー場のよう・・・
山荘の隣にあるトイレ。ものすごくキレイです。ヒーターもあってペット専用のゴミ置き場もあって至れり尽くせりなトイレがこんな山中にあるというはとてもありがたいことです。
そういえば振り返ってみるとこの時期でも犬連れのハイカーさんが多くみられましたね。
さて次はマナスル山荘までの同じく緩やかな雪道を歩きますが、またもやチビワンの雪玉づくりが始まってしまい・・・
これまた歩みが遅くなります。
今年は暖冬で雪が少ないとのこと。しっかり振っていれば綺麗な霧氷に育っていたかもしれません。
マナスル山荘経由、山頂への登り
マナスル山荘に到着しました。こちらには寄れませんでしたがここは営業しているようですね。この山荘の高いホスピタリティの噂はよく耳にしますが、天文台まであったとは・・・
ここからは登山道らしい登山道となり、30分ほどではありますがそれなりに勾配も出てきます。気を引き締めて行きましょう!
広場の境となる木々の向こうには八ヶ岳が顔をのぞかせました。これから先、視界が開けるともっと盛大に見えることでしょう。
ここでチビワンストック使用。登りなのでもう少し短くしたほうが登りやすいのですが、その違いを感じてもらうのもいいかなと思いしばらくそのまま歩かせることにしました。
しばらく様子を見るとしましょう。
・・・。
案の定、新雪を壊して遊ぶためのオモチャと化してしまうのでした(笑)
雪はそこそこ締まりつつもアイスバーンほどではないのでアイゼンが良く効きます。チビワンの練習にはもってこいの状況でした。
やはり長すぎるストック長で腕が疲れてしまったようで。そこで短くすると登りやすくなるよ?と提案したのですが・・・
「やっぱいいや」と笑顔で返されてしまいました。うーん、タイミング誤ったか・・・
まぁこのレベルの雪山であればストックなしでも全く問題は無いのですけどね。
山頂までのルートには、直登する岩場コースとそれを避ける岩場迂回コースがあります。どちらも通りたいところですが、どうせなら岩場コースは登りで使い所なので、往路は岩場コースを進みます。
木々の背が少しずつ低くなり、いよいよ雪山歩きらしくなってきました。
完全な霧氷ではないにせよ、雪の屋根の下を歩くのは気持ちがいいですね。
木が揺れて乗っていた雪が散るのを見て「何か」を閃いてしまった様子・・・
いやもう、雪山としては十分です。
来れて良かった!
そして振り返ると霧氷越しに北から南まで八ヶ岳が見えてきました。山頂駅で全貌はすでに見ているとはいえ、テンション上がります。
そして悪だくみをしていたチビワンは・・・
自爆の憂き目にあうのでした(笑)
白銀の登山道と濃紺の空がたまらなく心を高揚させてくれます。チビワンはどう感じ取ったかな・・・?
山頂近しの予感!となると・・・
またもや何かを企んでるニンマリ顔。ピークハント一番乗りを譲らないつもりなのでしょう。
山頂スパート!
そしてついに視界は開けて・・・!
登頂!爆風と360度の眺望
午前10時53分、入笠山(1955m)登頂です!お疲れさまでした!360度、見事な眺望です。
先ほど見た八ヶ岳に・・・
反対側は中央アルプスも。
北側には北アルプスが広がりますが、かなり霞が濃くなっていますね。
いい笑顔です。
なんだか今日はいつも以上に笑顔サービスが充実しています。久々の登山でかつ初めての雪山で達成感を噛みしめてくれたのかな?
しまいには歌って踊りだす有様ですが、せっかくなので持ち上げ続けておきましょう(笑)
それにしてもものすごい爆風。風も冷たく気温はマイナス5度。とてもここで休憩する気にはなれなかったので、マナスル山荘辺りまではまず標高を下げることにしました。
下山前に撮影して頂きました。ありがとうございました!
さて下山開始です。山頂エリアから少しだけ下っただけで風が大幅に弱まりホッと一息つくことができました。
下りではここから使いたいとのことで、再度ストックを出しました。
まぁ結局、雪を機から落とすために使ったりするわけですが・・・
まぁ、今日は良しとしましょう。
マナスル山荘前の広場まで戻ってきました。ピークは踏んだので、ある程度は好きに遊ばせてあげましょう。
それじゃ、早速!
さすが子供、慣れるのも早い。
そしてまた登り返し・・・よくやるなぁと感心しながら。
お二人のハイカーさんが絵になったので撮影させていただきました。
いよいよ本格的に始まるのか・・・
色々な乗り方を開発中・・・
まぁ楽しそうだこと。でもそろそろお腹もすいてきました。マナスル山荘前でもまだ風が強そうだったので、山彦荘まで戻ることにしました。
入笠湿原にてランチ、そして雪遊び
さて山彦荘まで戻ります。これだけ雪を堪能しても相変わらず端っこ歩きはブレません。痩せ尾根のような場所でなければまぁいいですが・・・
山彦荘まで戻ってきました。早速お昼の準備に取り掛かりますが・・・
ランチができるまでの間はソリをやりたいんだそうで・・・
朝飯前ならぬ昼飯前というやつでしょうか。
使う機会が無かった70-200mmをこんなとこで使うとは(笑)
走らなくてもいいと言ってるのに・・・全力少年です。
この距離ですが遮蔽物がないので大声出せば会話ができてしまいます。近くのベンチで休まれてる方に笑われてしまいちょっとハズかった。。。
直滑降!(笑)
戻ってきたチビワンは気圧差でパンパンになったチキンラーメン容器に興奮気味に驚いてました。
最近お気に入りのたらこおにぎりと・・・
カップヌードルから転向したチキンラーメンを啜って・・・
むふふ~♪とこの表情。楽しくて美味しくて、自然とこの表情が出ちゃうよね。
そして私も・・・このコーヒーを飲んでいる時は緩み切った表情をしていたことでしょう。
さてお腹も満たせたし、ピークも踏めたし、山頂駅に向かって帰・・・
の渾身の滑り!
雪玉づくりもどんどん手際が良くなってきます(笑)
もう暑くてニット帽も被ってられないってさ(笑)
そして遊び続けること30分以上・・・そろそろ帰りません?
ダダのこねかたもスケール大でした(笑)
まぁ、こんな非日常の素晴らしい環境の中じゃ無理もないかもね。
帰るとわかると途端に足取りが重くなる人。。。
何はともあれ、山頂駅まで戻ってきました。今回はフィニッシュポーズ付きです。
お疲れさまでした。
思い出とともに、下山
下りのゴンドラに乗り込むと、スタッフの方が暖かいおしぼりを出してくれました。下りでゴンドラに乗るのは基本登山者だけなので、これは嬉しいサービスですね。
「っっひょーぅ!♪」
過去、ここまで気持ちの良いおしぼりがあったでしょうか?わずか8歳にしておしぼり最高の境地に達したチビワンでした。
そしてゴンドラで最後の眺望を楽しみながら・・・
ペプシで乾杯!
腕をまくり八ヶ岳を眺めるチビワンに、また一つ大きくなった逞しさを感じたのでした。
振り返って
好天という幸運も加わって、最高の一日となりました。チビワンにとっては初めての本格的な雪山登山らしい雪山登山となりましたが、それがこのお山で本当に良かったと思います。雪山はそう簡単に難易度を上げるわけにはいきませんが、これで少なからずチビワンの行動半径も広がったことでしょう。何より一緒に歩けることを私としては嬉しく思います。ありがとう!
山行データ
- 出発時刻 / 高度: 09:36 / 1786m
- 到着時刻 / 高度: 13:39 / 1785m
- 合計時間: 4時間2分
- 合計距離: 4.7km
- 最高点の標高: 1936m
- 最低点の標高: 1739m
- 累積標高(上り): 226m
- 累積標高(下り): 238m
Reliveで山行振り返り