2021.2.21
コロナ禍という事情以外にも色々あってなかなか山行の機会に恵まれなかったのですが、過去に例を見ないブランクとなってしまいました。
前回の大野山子連れ登山から実に三カ月ぶりということもあり、あまりハードでなくそれなりに眺望を楽しもうということで、3年前にもチビワンと歩いた杓子山に登ってきました。
目次
山行ルート
山梨県は山中湖の北部、忍野八海の北側にある杓子山(しゃくしやま)。今回は林道途中の鳥居地峠(とりいちとうげ)から尾根伝いを歩き途中の高座山(たかざすやま)を経由して杓子山に登頂します。
ルート前半から、大パノラマの富士山を背に歩きます。高座山直前は急な上に滑りやすいザレ場となっており、高座山以降もやや急な岩場もあるため子連れの場合はそれなりの準備と注意が必要です。
富士山側を正面にした時のルートはこのようになります。
山行目的
かなりブランクが長かったので、体力の消耗度合いを見ながらパノラマ富士を堪能します。
本日の山行目的
- 忘れていた山の感覚を取り戻す!
- 大パノラマの富士山を堪能する!
- チビワンの3年間の成長をみる!
鳥居地峠から山行スタート
鳥居地峠の駐車スペースには、詰め込めば乗用車6~7台は停められそうです。また、このまま林道を進んだ先にも3~4台程度の駐車スペースがあります。かなりの凸凹道を行くことになりますが、車高の低い車でなければ十分通れると思います。
それでは出発しましょう!
鳥居地峠からは東側に向かって歩くので、午前中は場所によっては逆光です。この日の8時半頃の気温は約4度でしたので、まだ体が温まらないうちは有り難い温もりです。
一応、ライナー付きの長ズボンにしました。午前中はこのウェアで正解でしたね。
しばらくは緩やかな登り。ウォーミングアップには最適です。
視界が開けると、カヤトの暖かみのある道。正面の一番高い場所が高座山です。
この辺りではまだ泥濘は酷くありませんが、今日はこのゲイターが後々に役に立つことになりました。
ここで後ろを振り向くとドーンと富士山。雲一つなく気持ちがいいですね。
クッキリと。今シーズン初めは冠雪がかなり少なかったようですが、安心の(?)積雪量です。
難関その①:ザレザレの急坂(登り)
ここから先は高座山山頂まで、ザレた急登が二か所あります。これがなかなかに堪えるのです。
カヤトの山肌に描かれた文字(?)。3年前はもう少しはっきりと「中」「山」「上(だったかな?)」と書かれていたのですが、この日はかなり薄くなっていました。結局何のサインだったのかはいまだにわかりませんが・・・。
では取り付きです。
ザレているのでまぁ登りにくいこと・・・。
単純に登りにくいというのもありますが、かなりの斜度で滑ると危険なので、滑落しないよう注意しながら登ります。
まずは一ヶ所目クリア!また一段と高度を上げて眺望が広がりましたね。
続いて二か所目。こちらの方がさらに斜度が増します。
さらに後半はこのとおり。この日はまだ土がぬかるんでいないのでマシなのですが、ドロドロだとさらに危険度は増すと思います。
最初のピーク、高座山
急登を終えるとさらに眺望が広がります。いやぁ何度見ても気持ちがいいこと。
高座山(1304.4m)です。高度ではほぼ中間地点ですが総距離からすると1/3程度。まだまだ先は長そうです。
高座山山頂から。ここからは北側の視界も広がるようになり。南アルプス中南部の塩見岳・赤石岳などを目にすることができます。
ここで一旦高度を下げ、しばらくは眺望もなくアップダウンあり、岩場ありのコースになります。
痩せ尾根を抜けると、いよいよ岩稜帯に突入です。
難関その②:アップダウンの岩稜帯
チビワン的にはこういう岩場の方が登り応えがあるようで。
とはいえ急峻な岩場もあるので、楽しむと同時に十分な注意も必要です。
しばらく進むと、送電線の鉄塔の真下を歩きます。看板を見て一言。
さすがにそんなことにはなりませんが、確かに看板見るとそのような捉え方もできるかなぁ、と。私もちょっとからかい気味に、
笑。
さらに岩場は続きます。
岩場を登り・・・
岩場を下り・・・
そうは言っても3年前はチビワン自身で歩いた道。今思えばよく言って帰って来れたなぁと思います。
大榷首峠にて
アップダウンの岩稜帯を抜けると大榷首峠(おおざすとうげ)に到着です。上の写真は歩いてきたルート(左)を振り向いて撮ったところです。右のルートは不動の湯を経由する林道ルートです。遠回りですが危険な箇所は少ないので、帰り道はこちらを通っていくというのもアリです(鳥居地峠前では登り返しになりますが)。
ここでトイレ休憩にしました。写真左には簡易トイレがありますが、現在は閉鎖されて使用できません。我が家は毎度おなじみのプルプルにお世話になります。
いよいよ杓子山への最後の取り付きです。
ここで、チビワントラブル。岩場辺りから腰を気にしていたようですが、聞いてみたところ「ちょっと腰が痛い」とのこと。歩けないほどではないんだけど・・・とはいうものの、少々気になります。
久々の山行、少し多めの荷物、加えて高座山直下で軽く尻餅をついたということもあったので、それらに起因するものかもしれません。
休憩はもう大丈夫とのことなので、少しペースを落として山行を再開することにしました。この先はわずかに遠回りするとハンググライダーの離陸プラットフォームがあるのですが、そちらは帰りに寄ることにします。
取り付きからはそれなりの急登ですが、階段が見えてくると、いよいよ山頂間近。腰が痛いといいつつもスパートします。
あの鐘は・・・!待ちに待ち望んだ山頂は目の前です。
杓子山登頂!360度の大パノラマ!
午前10時53分、杓子山(1597.6m)登頂です。見事な大パノラマ!
杓子山のアイコンである山頂の鐘、その名も「天空の鐘」。
誰が考案したのかわかりませんが、ファンシーな山頂標ですよね。
登頂記念の鐘をカーン!と。
「ふぃ~~!」といってベンチにゴロン。なんだかんだで登り応えがあったよね。
まぁ休んでください。その間にランチの準備です。
三カ月ぶりの山ヌードル。やっぱり美味しいね。
アーンドお赤飯。塩味がたまりませんな。
お腹が満たされたところで、周囲を見回してみます。まずは北西側。写真右端が去年の梅雨にチビワンと歩いた三ッ峠です。
少しアップで。南アルプスの手前が御坂山塊北部。写真右端は同じく去年の秋にチビワンと歩いた鬼ヶ岳ですね。なんだか去年はかなり御坂エリアをチビワンと歩いた気がします。
北東部には奥多摩の山塊が広がります。その奥にはうっすらと奥秩父の稜線も見えますね。
下山前に記念写真。やはり食後のほうが表情はいいですね(笑)
約3年前の写真。鐘撞きの位置が今と全然違いますね。ウェアも今となってはゲイター以外はすべてチビツーが着ています。よくまぁここまで大きくなってくれたものです。
私も一緒に。撮影ありがとうございました。
さて、名残惜しいですがそろそろ下山しましょう。
ポカポカの下山
ランチの時点ですでに腰の痛みは無くなったとのことでした。久々の登山の上に、苦手なアップダウンの道をチビワンにしては急ピッチで歩いてきたこともあって、少々腰に負担が来ていたのかもしれません。
念のため多めに持たせていた水は私に移し軽くしましたが、その必要がなかったかのように表情が戻ってきました。大人と違って子供の回復は早い・・・。
すっかり小躍りジャンプするようになって一安心です。
ゴキゲンですな(笑)
ではちょっと寄り道をして・・・
ハンググライダー発射台へ。ここから空へ飛び立つと気持ちよさそうですね。その前に怖そうですが・・・
「もしここの隙間がこーんなくらいだったらー・・・」と何やら不思議な想像をしていたようですがよくわからないのでスルー(笑)
腰の痛みを訴えていたので、登頂前は不動の湯を経由して帰ろうと思っていましたが・・・
山登りにおいては遠回りの別のコースを歩くというのも楽しみの一つではありますが、今は小学三年生の希望通りにいたしましょう。
ということで帰りの岩場もがんばれ!
帰りは陽が傾いて日差し自体は暖かいのですが、高座山までの稜線上は冷たい風が結構強いです。
高座山までの最後の登り返し!これが地味に堪えた~~
難関その③:ザレザレの急坂(下り)
ここが最後の難関。高座山の先の急坂。往路では登りでしたが、帰路は当然ながら下りとなり、加えて気温が上がって土さサラサラになりさらに滑りやすくなります。
上の写真のチビワンのようにどうしてもゆっくりズリズリと歩くようになってしまいます。杓子山山頂が泥濘でドロドロでしたが、こういう時にもやはりゲイターが心強いです。
坂を降りきるまで、油断ができませんでした。
ふぃー、と肩の力が抜けます。ここまで来れば、あとはのんびり林道を歩くのみです。
鳥居地峠が見えました。ラストスパート!
午後2時29分、無事下山しました。お疲れさま!
振り返って
やっぱり富士山ドーンの杓子山はいいですね。富士山を見るとやっぱり「山に来たぞー!」という感じになります。久々の登山で改めてその良さを実感しました。
久々ということもあって、登り応えどころか結構ヘロヘロになりました。やはり山の体力は山でしか取り戻せませんね。それゆえに、より一層「3年前はチビワンよく同じルート歩いたよなー」と思いました。3年という月日はあっというまですが、子供にとっては別人と思えるほどに成長する期間。これまでの成長を感謝するとともに、これからもさらなる成長を願って鐘を撞いてきました。
山行データ
- 出発時刻 / 高度: 08:31 / 1000m
- 到着時刻 / 高度: 14:29 / 998m
- 合計時間: 5時間58分
- 合計距離: 7.38km
- 最高点の標高: 1579m
- 最低点の標高: 991m
- 累積標高(上り): 605m
- 累積標高(下り): 594m
Reliveで山行振り返り